バッシュの音とボールの音
これが聞こえるのが当たり前で
部員「あなたー、ボールとって」
こっちにボールが転がってきてそれを渡して
その後必ず来るのが
軽くかわして顔をそむける
「好きだわ」
そんなこと言われて意識すんなって言う方が無理。
私は元々女バスにいたんだけど
怪我でバスケは諦めろって
だから今は男バスのマネージャーをしてる
後輩「すみません」
そう言いながらテーピングしようとすると
部員「彼女に他のやつ触ってほしくないってか」
部員「いいなぁ!俺らも欲しいよなぁ?」
そう言いながら耳が赤いグク
後輩「大丈夫です ありがとうございます!」
ははっと笑いながら練習に戻る
その後ろ姿はとてつもなくかっこよくて
あぁ、あの人と付き合えたらどんだけ楽しいか
なんて思っちゃう
ただの幼馴染から彼女になるなんか
少女漫画みたいな事起きてほしい。
みんな「ありがとうございましたー」
練習が終わり家が隣同士の私たちはいつも一緒に帰る
そう言いながらニヤニヤしてるリン
そんなたわいのない話ができるのも
あの時までだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!