第6話

3,829
2021/07/12 10:20
鬼は私となおきりさんのみ。
みんなが今は隠れるのを待っている。
なおきり
なおきり
あなたさん、どうやって探します?
(なまえ)
あなた
え、っと…植物と視覚共有して探します…ね
なおきり
なおきり
おぉ!僕は狼を数匹テイムして探しますね
(なまえ)
あなた
は、い
すると、なおきりさんは少し難しい顔をする。
(なまえ)
あなた
どうか、しましたか?
なおきり
なおきり
いえ、さっきから凄く
楽に喋って貰えてない気がするので
そう言ってなおきりさんは微笑む。
(なまえ)
あなた
すみません、人と話すの
あんまり慣れてなくて……
なおきり
なおきり
無理矢理じゃなくてもいいので
慣れてくれたら嬉しいです
(なまえ)
あなた
頑張り、ます…!
そう言うと、なおきりさんは「はい」と嬉しそうに笑った。
(なまえ)
あなた
あ、そうだ
(なまえ)
あなた
腕を出して、頂けませんか?
なおきり
なおきり
?はい
なおきりさんの出した腕に、私はパンジーを巻き付ける。
(なまえ)
あなた
この花で、トランシーバーのように
会話ができます
自分の腕にも、パンジーを巻き付ける。
なおきり
なおきり
情報共有ですね!
(なまえ)
あなた
はい、作戦行動にも…有利かと
そう言ってから、私は猫耳と尻尾を出現させる。
なおきり
なおきり
あれ、獣化するんですか?
(なまえ)
あなた
あ、いえ足が速くなれば…いいので…
半獣化するだけです
なおきり
なおきり
いいですね!
僕獺なので何も……
そう言ってなおきりさんは少し俯く。
(なまえ)
あなた
そ……
そう言いかけたところで、爆発音のように大きいスタート音がスピーカーから流れる。
朝礼台の真横にスピーカーがあったせいで、なおきりさんも私も耳を思いっきり塞ぐ。
それから二人で顔を見合わせて笑った後、東と西に別れて走っていった。
(なまえ)
あなた
『なおきりさん、北方面に十名ほど固まっています』
なおきり
なおきり
『分かりました!
東を一通り回ってから北に行きますね』
(なまえ)
あなた
『では私も西から北へ』
なおきり
なおきり
『気を付けてくださいね』
(なまえ)
あなた
『なおきりさんも』
それから通信は途切れ、私は走ってみんなを探した。
耳をぴくぴくと反応させ、音を探す。
木の影に一人、ですか。
相手が隠れているであろう木の少し横に、杖先を合わせる。
(なまえ)
あなた
詠唱は嫌いなの。
普通魔法には詠唱がいる。でも、私はそれを省いて魔法を展開することが出来る。
杖先から、植物のツタを勢いよく伸ばす。伸ばす。
手応えがあった。
二年生
え゙っツタ?!
木の後ろから声がする。
相手にツタを巻き付け、引っ張り出す。
(なまえ)
あなた
捕まえました
そう言ってツタを引っ張ったまま微笑むと、相手は私を見て青ざめた。




……後ろから魔力反応…!
ツタを引っ張ったまま、杖を大きく振りかぶる。
魔力と魔力がぶつかる爆発音がしてから、二年生が上から落ちてくる。
二年生
マジか……っ!
(なまえ)
あなた
残念でした
ニコッと笑ってその人にもツタを巻き付ける。
(なまえ)
あなた
どうぞ、待機場所へお戻りくださいな
鬼に与えられるポシェットの中から、精霊入りの瓶を二つ取り出し、二人の目の前に叩きつける。
割れた瓶から精霊が飛び出し、二人をワープさせて消えていった。

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