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第1話

Prolog
5,600
2021/07/10 08:06
(なまえ)
あなた
私は、次期皇帝ではありませんので。




少女はゆっくりと扉へと向かう。




(なまえ)
あなた
また会う日まで、どうかお元気で





少女は振り返ってにこやかに言いました。




(なまえ)
あなた
帝国に神の御加護を。




少女は聖女という名誉を棄て、王国を去りました。




非魔法使いの国は、あまりにも退屈だったのです。




少女がこれから向かうのは、東の国。




獣混血の魔法使いが集う、魔法の国。





かつて聖女と謳われた猫の混血の少女は、





この上なく上機嫌に、帝国の門をくぐりました。




少女が去った後の帝国では、










敷地内全ての植物が一斉に枯れたのだと言う。

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