第13話

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2021/08/07 02:37
うりside
その日の夜、俺達は山賊の隠家があるであろう森の奥深くに忍び込んだ。
(なまえ)
あなた
ローブは着てください。
それと、杖も持っていてください。
うり
うり
え、警戒されない?
(なまえ)
あなた
大丈夫です。
(なまえ)
あなた
シヴァさんの御札は隠しておいてください
シヴァ
シヴァ
りょーかい
森に焚き火を焚いて、その周りで話す。
じゃぱぱさん達は俺の闇魔法で身を覆って隠れている。
(なまえ)
あなた
あいつらが魔法使いの事で知っている事は
単なる浅知識に過ぎません。
(なまえ)
あなた
魔法使いは杖が無いと
何も出来ないと思っています。
あなたさんはそう淡々と話す。
うり
うり
あなたさん、さっきから
そう言ってるけど
うり
うり
山賊の人、会ったことあるの?
あなたさんがあまりに物事を全て知っているかのように話す為、思わず聞いてしまった。
すると、あなたさんはニコッと笑う。
(なまえ)
あなた
えぇ、一度。
貼り付けたような笑顔で、あなたさんは続ける。
(なまえ)
あなた
私は奴らを殺しました。
__________。
___________________。





それから、俺たちはずっと“普通の”会話をしていた。
すると、一羽の梟が、俺達の上を旋回して鳴いた。
三人が一斉に上を向くと、梟は飛んで行った。
(なまえ)
あなた
……来ますよ
「出来るだけ怯えたフリをして下さい。」
「何も抵抗しては行けません。」
俺達にも聞こえるか危うい声量で、あなたさんが言う。
それから数分経つと、数名の人が走ってくる音が聞こえた。
その音は、次第に近付いてくる。
(なまえ)
あなた
____!!
気付けば、あなたさんが口を塞がれている。
山賊
……黙れ。殺すぞ
そう言われ、あなたさんが叫ぶのを止める。
あなたさんが狼狽えたような態度をとる。
これが全て演技だと言うのだから、大したものだ。
そんな事を思っていると、俺の口も塞がれ、首を締められた。
うり
うり
……っ
その次にシヴァさんも同様に捕えられる。
そしてもう一度あなたさんに目線を移すと、ガクッとあなたさんの顔が落ちた。
何故だと思った時にはもう遅かった。
次第に自分の視界がボヤけてくる。瞼が重い。
それと同時に、激しい頭痛が襲ってくる。


……睡眠薬が口を抑えている布に仕込まれているのだ。
だが、分かってももう遅い。
激痛が走ると同時に、俺の意識は途切れた。

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