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第1話

古い自転車と夏の終わりの田んぼ道




 


───何もかも、嫌になったんだ。





 




私は田んぼ道の坂を、ブレーキを掛けながら古い自転車で少しずつ、すこーしずつ下ってゆく。ギコギコと音をたてながら、ゆっくり、ゆっくりと。

夏が終わったあのむしむしとした暑さのせいでちょっとだけ、ハンドルに力が入る。さらに力が入っているせいか、手汗が出て、もっとハンドルに力をこめてしまう。

衝動的に不意にペダルに乗せている足を止めたくなった。 
不意に田んぼに薄く水だけが張られていて、三日月が映っているのが目に入る。
もうここには何も植えられていなくて。
ただ、一昨日のどしゃ降りで水が張られているだけ。あと何日かすればこの水もなくなる。
今の季節は少し涼しくなって、みんなはやっと暑くなくなったって言う。
この季節が一番良いって言う。
だけど私は、この季節が嫌いなんだ。 



私はそれがみんなが好きだから嫌い、とかそういうのじゃ無いんだ。

何か、心の奥底が叫んでるように感じて、怖くなるんから。
ただ、ただそれだけなのに、この季節が嫌いになってしまったんだ。

風が、そよそよと私に語りかける。
草木が、私の背中を押してくれている。
風鈴が何処かで鳴っている気がする。
涙は気づいたら乾いていた。



……だから、伝えさせてください。








───私にとって君が、一番の親友でした。















未来のあなた
未来のあなた
──懐かしいなぁ…。

もう、懐かしいと感じた1年前のあの夏すら懐かしいと感じてしまうのだ。
あの頃の二人が笑い合うプリクラ。
今考えるとちょっと盛りすぎなくらいのプリクラ。
二人とも笑ってて。
でも、ちょっぴり色褪_いろあ_せていて。







──これは、君と私の記念日を巡った物語である。