第6話

赤い恋人-1-
142
2021/01/03 11:00
昔々、ある男の伝説があった。
その男はお喋りが非常に上手く、頭も賢いほぼ完璧に近い男だった。
だが、一つ欠点があった。男は酒癖が悪かった。そのせいで一度結婚目前までいったにもかかわらず破局になってしまうほど。
そんな酒癖の悪いの男の伝説は、“一度に10人の女と行為に及んだ“という悪名高い伝説である。

その男の名は……
魔城 王室にて
魔女
魔女
あらあらこれはエンマ大王じゃないの
エンマ大王
エンマ大王
ああ
エンマ大王
エンマ大王
俺はあんたの配下の器じゃない
エンマ大王
エンマ大王
あんな狭苦しい地下で封印されてるのはうんざりだ
それを聞いて魔女はふふっと一笑いした
魔女
魔女
そういえばそうね
魔女
魔女
じゃあこれならどうかしら
魔女はそう言いながら、玉座から立ち上がりエンマ大王に近づき耳元で幹部には聞こえないひそひそ声で囁く
魔女
魔女
私の旦那にならない?
エンマ大王
エンマ大王
え!?
魔女
魔女
ほら、あなた昔は女侍らせてブイブイ言わせてたんでしょ〜
魔女は耳元で囁くだけじゃ飽き足らず、首を死なない程度に気持ちよく締め上げる
エンマ大王
エンマ大王
いやそれは……うっ!
魔女
魔女
ダメなの?
魔女はさらにキツく締め上げる
エンマ大王
エンマ大王
いやダメっていうか……ううっ!!
魔女
魔女
じゃああんたに任せてる地下は私が好きなようにお仕置きしちゃうけどいいのかしら?
エンマ大王
エンマ大王
それはダメだ!
魔女
魔女
あらそう?
魔女
魔女
なら私と……
エンマ大王
エンマ大王
結婚……
魔女
魔女
え?聞こえないからはっきり言ってちょうだい!
エンマ大王
エンマ大王
結婚するよ!!
すると魔女は今までの態度とは打って変わってまるで恋が無事成就して大喜びする乙女のような態度となり……
魔女
魔女
やったーー!!
魔女
魔女
これでついにあの伝説の!!
魔女
魔女
閻魔様の旦那に!!
魔女
魔女
なれるのかーーーー!!!!
幹部たちの困惑した表情とは裏腹に恋する乙女となった魔女は肩に乗せているインコに幹部たちの頬を噛ませたり……
幹部
幹部
いて!なにするんで……
魔女
魔女
あなた?これは褒美よ?
幹部
幹部
は、はい……喜んで……
着ているミニスカサンタの衣装のスカートをひらひらさせて幹部たちを発情させようとしたり……
幹部
幹部
ま、魔女様……それははしたない……
魔女
魔女
あ?私は今機嫌がいいの
魔女
魔女
これは褒美よ?
幹部
幹部
え、ええ……
そんなやりとりの一部始終を見ていたエンマ大王は「ふっ」とニヤリとほくそ笑んで地下へと戻っていった。

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