第112話

辛い?
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2019/11/29 10:42
そんな事を考えているうちに、アオイさんはあっという間に私の手足の手当を終える。
神崎 アオイ
後ろを向いて下さい。
あなた

はい。

アオイさんに言われた通り、背を向ける。
すると、アオイさんは一度止まって、それから消毒に入った。
あなた

いっ…

神崎 アオイ
沁みますか?
あなた

す、少しだけです…

背中に消毒液が浸み込んだ綿が、ポンポンと軽く押し当てられる。
傷口をジリジリとなぞられている様な、もっと簡単に言えば刺す様な痛みが走る。
神崎 アオイ
そりゃそうですよ。広範囲にこれだけ擦り傷があれば、どんなに優しい消毒液でも沁みます。
あなた

で、ですよね…

神崎 アオイ
今日は水柱様とはどの様な稽古を?
あなた

まずは我流・菓子の呼吸の持つ、型全てを見て頂いて、



『お前の呼吸が持つ、全ての型の技を俺に向けてみろ。』


『?!』


水柱様の唐突なこの言葉に、私は何を言ったのか理解出来なかった。


『…』


『で、では…』


混乱しつつも、漸く全ての技を披露出来た訳だが、水柱様は容易く私の技をあしらう。
あなた

大雑把な矯正を指示して頂いて、

直ぐに技の太刀筋や回転、軸足の取り方等の大雑把な矯正に入った。
あなた

基本的な剣術を教えて貰いました。

いつもの通り、刀の握り方から正しい構え、基礎的・初歩的な、私にとっては新しい知識を授けて貰った。
神崎 アオイ
それで、この怪我ですか?
あなた

いえ、今日は最後に手合わせまでして頂いて…


(分かってはいましたが、全く歯がたたなかったです…風柱様もそうでしたが、きっと蜜璃さんもしのぶさんも…)


私は水柱様を通して、改めて “ 柱 ” の圧倒的な強さ、技術力を目の当たりにした。


(もっと、もっと強くならないと、です…)
神崎 アオイ
そうですか。
アオイさんはふと、何を思ったのか、手当をする手を止めた。
神崎 アオイ
あなた

神崎 アオイ
あなた

…ア、アオイさん?

神崎 アオイ
…辛くないですか?
あなた

え?

神崎 アオイ
いえ、何でもないです。軽率な事を私は…すみません。辛くない訳ないですよね。
あなた


私の朝は夜も開けないうちに始まる。


まずはしのぶさんに頼まれたお萩を作り、

それから炭治郎さん達と山での走り込み、

体を改造すべく様々な運動をみっちり行う。


朝食後はアオイさん達との機能回復訓練。


午後からは夕方まで水柱様と稽古をする。


行程の合間合間に、蝶屋敷での炊事洗濯も手伝う。



(今、思い返してみると…かなり過酷な一日を送っていますね…)


多分、私が一日にこなしている事について、アオイさんが気に掛けていると、私は気づいた。

でも、先ほどのアオイさんの質問にふと首を傾げる。






(辛い…?)

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