第123話

かくれんぼ、終了
14,026
2019/12/24 14:25


竈門 炭治郎
結局、一瞬で見つかってしまったな。
あなた

ですね。

2人の話し声が聴覚の鋭い善逸さんにはしっかり聞こえていたらしく、勢いよく納戸を開け、恐ろしい鬼の形相で炭治郎さんを見ていた。

そして、一言。

『お前、何やってんの?』
竈門 炭治郎
あの時は流石に怖かったぞ、善逸。
我妻 善逸
あんな狭いところであなたちゃんと二人っきりなのが悪いだろ!そこで待ってろよな!伊之助と禰豆子ちゃん探して来るから!
あなた

い、行ってらっしゃいです。

我妻 善逸
はぁ〜い、すぐ帰って来るからね、あなたちゃん?いっぱい話しようね、『2人で』。
竈門 炭治郎
(大分、根に持ってるな…)
善逸さんは私達を最初に居た炭治郎さん達の部屋に連れて来ると、すぐに部屋を出て行った。
振り返りざまに片手をヒラヒラと振って、ニコニコと笑っていた。

暫くして、廊下の奥から

『ドドドドドドッ』

と激しい足音と笑い声が混じったものが部屋に近づいて来た。

『バンッ!』
あなた

竈門 炭治郎
嘴平 伊之助
ははははっ、俺の勝ちだ!紋逸!
竈門 禰豆子
むーーっ!
部屋に飛び込んで来たのは、案の定、伊之助さんだった。
少し驚いたのは伊之助さんの背に禰豆子さんが乗っていて、両手を上げて楽しそうに笑っている。
我妻 善逸
だぁかぁらぁ、かくれんぼはそういう遊びじゃないの!見つかったら終わりなんだよ、負けなの!
嘴平 伊之助
俺は負けてねぇ!
我妻 善逸
負けたの!
嘴平 伊之助
負けてねぇ!
我妻 善逸
てかさぁ、お前らなんなの?!炭治郎はあなたちゃんと居るし、伊之助は禰豆子ちゃんと居るし!何、俺はお前らがイチャコラする為に鬼やってんの?!ねぇ?!
竈門 炭治郎
ち、違うぞ!誤解だ!…な、あなた?
『ドギッ』

まだぎこちない呼び方が私の心臓を跳ねさせる。
あなた

は、い…//// た、たまたまですよね、た、たん、炭治郎?//

頬がまた熱くなっていく。

炭治郎さんは私がちゃんと呼べたのを聞いて、凄く嬉しそうだった。


(これで本当にもっと仲良くなれたら良いなぁ…)
我妻 善逸
は、何これ。確信犯でしょ。本っ当、とんでもねぇ炭治郎だな!
竈門 炭治郎
だから、誤解だって!
我妻 善逸
ああ、はいはい!分かった分かった!
竈門 炭治郎
善逸…(ムンッ)
我妻 善逸
いや、こっちが『ムンッ』ってなってんだけど?!
皆の話しているのを笑って見ていると、伊之助さんにおんぶされた禰豆子さんが今度は私の方に両手を向ける。
竈門 禰豆子
むー。
嘴平 伊之助
なんだ、下りるのか?
竈門 禰豆子
むっ。
伊之助さんはしゃがみ、禰豆子さんを下ろすと、禰豆子さんは私の方に走ってきた。
竈門 禰豆子
むーっ。
そして、むぎゅっと抱きつかれる。

プリ小説オーディオドラマ