第74話

美味しい桜餅
18,909
2019/10/02 09:05
我妻 善逸
おい、あんまり急いで食うなよ?喉詰めるから、
嘴平 伊之助
グフッ…
我妻 善逸
って、えぇぇえ?!言った側からぁぁぁあっ?!何やってんだよ!!!み、水ある?!水持って来て!
神崎 アオイ
全く…しょうがないですね!!!
『ドタタタタタッ』

アオイさんが部屋を出て行くと、私と甘露寺さん、炭治郎さんは伊之助さんの元に駆け寄る。
竈門 炭治郎
だ、大丈夫か、伊之助?!
あなた

つつつつ詰まらせましたか?!せ、背中を叩いてあげないとととと!

甘露寺 蜜璃
わ、私が叩くわ!背中をトントンッてしてあげれば良いのよね?
あなた

そ、そうです!で、でも蜜璃さん威力を加減して…

『ドタタタタタッ』
神崎 アオイ
水持ってきました!
『ドンッ』
嘴平 伊之助
〜〜〜〜っ!!!
我妻 善逸
な、なんか音違うかったよ?!大丈夫?!骨折れてない?!
甘露寺 蜜璃
きゃぁぁぁっ、私ったらまた加減が…ごめんなさいっ!
竈門 炭治郎
取り敢えず、お水を飲ませよう!
あなた

ゆっ、ゆっくりゆっくり…

胡蝶 しのぶ
あらあら、今日も本当に賑やかですね。





一連の騒動は何とか治まり、私とアオイさんが作った桜餅はとても喜んで貰えた。

縁側で蜜璃さんの隣に座っていると、後ろから声がかかる。
嘴平 伊之助
おい、お前、2つ共残ってんじゃねーか。
あなた

え、あ、はい。

嘴平 伊之助
寄越せ、俺様が食ってやるぜ!
あなた

!!!

竈門 炭治郎
駄目だぞ、伊之助。それはあなたさんの分だ。
我妻 善逸
お前、そんな事言ってると、あなたちゃんに二度と作って貰えなくなるぞ。
私の膝上に置かれた皿の上の桜餅を指さし、皿の中を覗き込む伊之助さん。


(こ、これは…私の分…私の…分ですけど………)


超絶甘党の私には少し辛い判断だった。

が、喉に詰めてしまい、桜餅の本来の美味しさを味わえず、
知らないままこの先を生きていく伊之助さんを思うと、超絶甘党の私は複雑な気持ちに覆われた。
あなた

た、食べますか?

我妻 善逸
えっ、いいの?!
竈門 炭治郎
それじゃぁ、あなたさんの分が…
あなた

大丈夫ですよ!また作ればいいのですし。

私は桜餅が乗ったお皿を伊之助さんの前に持っていく。
あなた

どうぞ、伊之助さん。

嘴平 伊之助
…(ホワホワホワホワ…)
伊之助さんはペロリと食べてしまうと、「美味ぇ!」と叫び、喜んだ。

その姿を見れば、私は桜餅が食べられなかった事など忘れてしまえる。
それ程、伊之助さんが喜んでくれたのが嬉しかった。
甘露寺 蜜璃
あなたちゃんの桜餅、本当に美味しいものね。私も気持ちが凄く分かるわぁ。
あなた

本当ですか?それはとっても嬉しいです!

甘露寺 蜜璃
良かったら私と半分こする??
蜜璃さんは炭治郎さんが運んでくれた小箱の蓋を開けて、私に首を傾げて聞いてきた。
あなた

いえ!ただでさえ、蜜璃さんが満足する量も無いのに…

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