第37話

そういうお年頃なの!
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2019/09/05 11:53
麓に下りると、私達の帰りを町の皆さんが入口の門で待っていてくれた。

私を見るなり、太一さんは駆け寄ってきた。
太一
あなた、怪我は?大丈夫なのか?!
あなた

大丈夫です、皆さんには言わないで下さい。

私に耳打ちされた太一さんは納得していない顔だったが、必ず手当をする事を約束に黙っていてくれた。


太一さんを助けて頂いた礼がしたい、という太一さんのご両親に頂いた言葉に有難く甘える事にした。

太一さんの家はこの町で宿を営んでいた。
が、宿の客室は満杯で、一部屋しか空いていないらしい。

「ごめんなさいね、」と申し訳なさそうに言う太一さんのご両親に、炭治郎さんはニコッと笑う。
竈門 炭治郎
いえ、泊めて頂くだけで充分です。気にしないで下さい。
クルッと私の方に振り返ると、炭治郎さんは今度は私と目を合わせる。
竈門 炭治郎
部屋はあなたさんが使うといい。俺達はそこらの辺りで野宿でもするから。
我妻 善逸
えぇぇぇえ!た、炭治郎、聞いてないよ!俺達野宿なの?!鬼!鬼は?!
竈門 炭治郎
しょうがないだろう。あなたさんを外で寝かすなんて事は出来ないし、寝相の悪い俺達と寝るなんて事は……
善逸さんをなだめる為に向けた視線を再度私に戻す。
竈門 炭治郎
可哀想だ。
我妻 善逸
そっち?!
(そ、そっちなんですね…)
嘴平 伊之助
誰が寝相が悪いんだ?!
我妻 善逸
お前だよ。
嘴平 伊之助
あ?!
竈門 炭治郎
善逸もなかなかだぞ。
我妻 善逸
ええ、俺?!というか、あなたちゃんが一緒に寝ちゃ駄目なのってそこぉ?!
嘴平 伊之助
なんで駄目なんだ??一緒で良いじゃねーか!
竈門 炭治郎
伊之助、それはあなたさんが可哀想だ。
我妻 善逸
だから、そこなの?!
嘴平 伊之助
他に何があんだ!
我妻 善逸
いいか、お前ら!あなたちゃんはな!年頃なの!色々、野郎と関わると不味い時期とかもあんの!!
竈門 炭治郎
それなら禰豆子も同じだ。
我妻 善逸
そうだよ!禰豆子ちゃんもだって、ずっと言いたかったの!お前に!でもさ!禰豆子ちゃんもお前も離れないだろ?!
嘴平 伊之助
あー、もうめんどくせぇ!
あなた

あ、あの…

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