第77話

『霽月屋』の孫
19,037
2019/10/05 04:00
甘露寺 蜜璃
あれ、皆知らないの?ごめんなさいっ、私ってばてっきり…
神崎 アオイ
せ、『霽月屋』って
我妻 善逸
え"ぇぇぇぇぇえ"ぇぇえ"っ!!
『ビクッッ』

驚いて、あまりの大声に思わず振り返る。
嘴平 伊之助
うっせぇ!いきなり大声出すんじゃねぇ!
竈門 炭治郎
善逸、今のはびっくりしたぞ…いきなり驚いてどうしたんだ?
我妻 善逸
え、嘘、お前ら知らないの?!
竈門 炭治郎
何が?
我妻 善逸
『霽月屋』だよ、『霽月屋』!
嘴平 伊之助
何だそれ。
我妻 善逸
まじか、なんで知らないんだよ!『霽月屋』って言ったら、知る人ぞ知る高級老舗和菓子店だよ!嘘、なんで知らないの?!
神崎 アオイ
し、しのぶ様はあなたさんが『霽月屋』のお孫さんだった事、知っておられたのですか?
胡蝶 しのぶ
いえ、私も初めて聞きました。
そういえば、跡継ぎ問題の結果、確か一番弟子さんがお店を閉めたとか…
竈門 炭治郎
一番弟子ってもしかして…あなたさんの事なのか?!
あなた

え、っと…弟子って程では無いんです、けど…

祖父がなかなか弟子を取らなかったのは、私でも知っている。
弟子にして欲しい、と来るのは幾らでも居たが、受け入れたのは合計して1桁程度だった。
それも一時期に1人だけ。

その結果、どうやら私がずっと祖父母の隣でお菓子作りを学んでいた事等から、一番弟子と周知されたらしい。

後継者問題が浮上したが、唯一お店に残された私が息もつかぬ間に店を閉め、姿を消した事から騒ぎが治まったという感じだ。


(知られると騒がれてしまうので、言わないようにしていたんですけどね…)
嘴平 伊之助
それって凄ぇのか?
神崎 アオイ
凄いですよ、本当ならこんな所では会えない人です。私でも知ってるぐらいなんですから。
我妻 善逸
おおおお俺達、幾つお菓子食った?!既に10はいってるよね?!俺達の給料の4分の1に匹敵するんだけど?!?!
竈門 炭治郎
えぇっ、そんなに高いのか?!
わたわたと周りが騒ぎ出すのを見て、私はなんだか可笑しく感じて、「ふふっ」と笑ってしまう。
竈門 炭治郎
すまない、あなたさん!次のお給料で絶対払うからっ!
あなた

だ、大丈夫ですよ!!!もとより御代金は取るつもり無いです。私が作りたくて作ってるので。

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