私は重大な事じゃなくて良かった、と安心すると共に微笑む。
すると、見る見るうちに善逸さんの耳が真っ赤に染め上がる。
ブンブンッと善逸さんは首を激しく左右に振ると、またきょろきょろと辺りを警戒しながら言う。
蝶屋敷の裏には見事な山がある。
私は初めてアオイさんに教えて貰った時に、「四季折々の山の風景がいっぱい楽しめそうですね」と、話したのを覚えている。
なほさん、きよさん、すみさん(蝶屋敷で看護師として働く娘さん方)曰く、伊之助さんもよく裏山に入っては遊んでいると聞く。
初めの頃は驚く程、山を荒らしていたのだとか。
ここでなほさん、きよさん、すみさんの話をすると、蝶屋敷で訓練・看護担当として働く3人娘さんである。
三つ編みを結い、白い看護服に緑色の帯を締めているのが、なほさん。
前髪を少し残し、おかっぱがとてもよく似合う、桃色の帯を締めているのが、きよさん。
前髪を横に流し、私と以前同じだったおさげ姿をしている、水色の帯を締めているのが、すみさんだ。
私がお世話になってからというもの、アオイさんやしのぶさんと同様に親切にして下さる方々だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。