第85話

秘密の約束
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2019/10/13 04:26
あなた

…暇、ですか?

我妻 善逸
いや、そうだよねっ、あなたちゃんはここの手伝いで忙しいし!暇なんてある訳無いのに何言ってんだろ、俺、あははははっ
あなた

暇があるかどうか分かりませんけど…

私は重大な事じゃなくて良かった、と安心すると共に微笑む。
あなた

善逸さんの為なら作ります、私。

我妻 善逸
っ…//
すると、見る見るうちに善逸さんの耳が真っ赤に染め上がる。
あなた

ぜ、善逸さんっ?!

我妻 善逸
なんだろ、俺、凄ぇ恥ずかしい…
あなた

ごっ、ごめんなさいっ、私ったらまた何か余計な事をっ(汗)

我妻 善逸
い、いや、あなたちゃんのせいじゃないし…勝手に俺が急に意識して…
あなた

で、でも、どうして私に暇があるかどうかを聞かれたのですか?

我妻 善逸
ど、どうしてって…
あなた

あ、えっと、もしお使い等であれば私が行きますよ、と言おうと

我妻 善逸
違う違う違う違うっ!!
ブンブンッと善逸さんは首を激しく左右に振ると、またきょろきょろと辺りを警戒しながら言う。
我妻 善逸
俺があなたちゃんと蝶屋敷の裏山に行きたかっただけ。
あなた

裏山…

蝶屋敷の裏には見事な山がある。
私は初めてアオイさんに教えて貰った時に、「四季折々の山の風景がいっぱい楽しめそうですね」と、話したのを覚えている。

なほさん、きよさん、すみさん(蝶屋敷で看護師として働く娘さん方)曰く、伊之助さんもよく裏山に入っては遊んでいると聞く。
初めの頃は驚く程、山を荒らしていたのだとか。



ここでなほさん、きよさん、すみさんの話をすると、蝶屋敷で訓練・看護担当として働く3人娘さんである。

三つ編みを結い、白い看護服に緑色の帯を締めているのが、なほさん。

前髪を少し残し、おかっぱがとてもよく似合う、桃色の帯を締めているのが、きよさん。

前髪を横に流し、私と以前同じだったおさげ姿をしている、水色の帯を締めているのが、すみさんだ。


私がお世話になってからというもの、アオイさんやしのぶさんと同様に親切にして下さる方々だ。
我妻 善逸
ごっ、ごめん!やっぱりそんな所嫌だよね!
あなた

い、いえ!そうではなくてっ…よく伊之助さんが裏山に出掛けてると聞いたのを思い出していただけなんです!

我妻 善逸
そうだよ、アイツよく1人で行ってるから!だから、内緒!
あなた

へっ?!

我妻 善逸
炭治郎と伊之助に言っちゃ駄目だよ?!俺とあなたちゃん、2人だけの秘密!!
あなた

は、はい…!

我妻 善逸
じゃ、じゃぁ、稽古が終わったら一緒に行こう。それまで待っててくれる?
あなた

りょ、了解です!

我妻 善逸
早く終われる様に俺頑張るから!
あなた

は、はい!頑張ってください!

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