第103話

前田 まさおコレクション
16,229
2019/11/12 21:01
前田 まさお
何ですか?もういいんですか?
後藤
どうしましたか?
あなた

少しの間、ここを離れても大丈夫ですか?しのぶさんに見て頂きたくて…

前田 まさお
え!
後藤
いいですよ、見て貰って来て下さい。
あなた

すみません、し、失礼します!





そういう訳で、私が着ていた蜜璃さん仕様の隊服はしのぶさんの手によって処分された。

まさか、水柱様がいらっしゃるとは思わず、きっと見たくもないものを見せてしまった。


(も、申し訳ないです…)
胡蝶 しのぶ
あなたさん、これをどうぞ。
あなた

あ、ありがとうございます…

手渡された小さな小箱に目を落とすと、私はもう一度顔を上げた。
あなた

マ、マッチですか…?!

胡蝶 しのぶ
はい、今日は私が居ていますけど、もしこの先に隊服を変える際に、前田さんに好き勝手にされないようにです。
あなた

な、成程です…

胡蝶 しのぶ
アオイとカナヲにも持たせてますから、あなたさんも持っていて下さい。
あなた

は、はい!

胡蝶 しのぶ
ところで、他の隊服は無いんですか?
あなた

えっと…後、3つくらいあったと…

胡蝶 しのぶ
成程。では、全部一度着てみて下さい。あ、明らかにおかしいのは着なくて良いですからね。私が燃やしておきますから。
前田 まさお
ま、待って下さ




二着目。


今度はスカートではないものの、
短い丈のズボンで通常の隊服の上着を着ると、まるで何も履いていない様に見える。

それを避けたのか、隊服の上着、シャツ丈が短く、
お腹がチラリチラリと見える。

こちらもどんなにシャツをズボンの中に入れようとしても、
絶対入らない作りになっている。
胡蝶 しのぶ
はい、燃やしますね。(ニコッ)
『ボッ』
前田 まさお
あぁぁぁあぁぁああっ!!
後藤




三着目。


前はしっかり閉じられ、下も丈の長いプリーツ無しのスカートだった。

が、着て初めてこの隊服の恐ろしさに気づく。
あなた

し、しのぶさんっ、//

胡蝶 しのぶ
着方は合っている様ですし、燃やして大丈夫でしょう。(ニコッ)
長丈のスカートの側面は腰下ギリギリから切込みが入っており、

隊服の背には所々に丸い綺麗な穴が開いている。


『ボッ』
前田 まさお
後藤


胡蝶 しのぶ
はぁ…
しのぶさんは大きく息を吐く。
胡蝶 しのぶ
本当にこの人はろくでもない物しか作らないですね。
前田 まさお
後藤
これで懲りてください。
前田 まさお
せめて着た姿だけでも見たかった…
襖の向こうの前田さんの声の調子からして、隊服が燃やされた事に精神的にまいっているのが分かった。
前田 まさお
一度も着た姿を見られないまま、襖の向こうで微かに『パチパチッ』って燃えてる音が聞こえてくる…ただの拷問ですよ…
最後の隊服の袖に腕を通す。

着替え終えた私を見て、しのぶさんは言った。
胡蝶 しのぶ
良いじゃないですか、とっても可愛いですよ、あなたさん。

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