第96話

俺のもん
16,680
2019/10/25 18:52
嘴平 伊之助
でも、
すると、いきなり後ろから伊之助さんの手が再度伸びて来て、

『グンッ』

後ろに引っ張られると、そのまま伊之助さんの力強い腕の中にすっぽり入れられる。


(へっ…、?)
嘴平 伊之助
此奴は俺のもんだ!
あなた

?!

私は驚きのあまり、伊之助さんの顔を見る。
嘴平 伊之助
だから、お前らにはやらねぇし、やるつもりも無ぇ!
伊之助さんは「くくくくっ、」と笑って、猪頭を後ろから私の顔へと近づけた。

私は伊之助さんの腕に両手で触れ、「待って下さい」と言いたいのに、上手く声が出ない。
声が掠れそうで、顔は既に熱く、心臓がバクバクと音を鳴らしている。
嘴平 伊之助
此奴を独り占めしていいのは俺だけだ!良いだろ?!羨ましいだろ?!
あなた

いのっ、


(だ、駄目です、// さっきから伊之助さんがとんでもない爆弾発言を…///)


私はもはや指先まで熱くなり、身体は異常な程の熱を帯びていたかの様に思える。

何より、伊之助さんの肌に触れると尚更心音は早くなり、そして大きくなる。
嘴平 伊之助
そうだよな?!
あなた

へっ、

当然の同意を求める質問に私は上手く反応出来ない。

伊之助さんはぐっとこちらに顔をもっと近づけると、不思議そうに私の顔を見つめる。
嘴平 伊之助
なんだ、熱でもあんのか?身体、熱くなってんぞ。
あなた

っ、、//

おーい、お前ら、こんな所で何やってるんだー?
聞き覚えの声に、その声こ持ち主の方へと顔を瞬時き向ける。
嘴平 伊之助
あ?
長い廊下の先にある、急な曲がり角から現れたのは、黒い隊服に身を包み、前髪を中心に分けた若い男の人だ。

そして、私は最近、この人にとても良くして貰っている。
炭治郎さん達の事を話したり、私が困っていると何かと手伝い助けて下さる。

後藤さんとよく似た人だ。


(後藤さんの方が江戸っ子っぽい話し方をしていますが…)
鬼殺隊士
お、おい…先輩が来ちまったじゃねぇかっ!ど、どうするんだよ!
鬼殺隊士
せ、先輩、ここは離れた方が…
鬼殺隊士
…チッ、
目の前で舌打ちをする先輩隊士より、その向こう側からゆっくり近づいてくる彼に、私の視線は向いていた。

彼は私と伊之助さん、そして先輩隊士方の間に入ると不思議そうな顔で私を見る。
何か、凄い言い合いが聞こえた気がしたんだけど…大丈夫、月夜里さん?
あなた

は、はい!大丈夫です!

まぁ…大した事無さそうなら、良いんだけど。

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