第19話

愛されてる
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2019/08/26 16:49
あなた

そ、そんなに匂いますか?甘くしすぎたかもしれません…

竈門 炭治郎
そんなことは無いと思うよ。多分、俺の鼻が利くせいだ。
あなた

鼻が利くんですか?!

竈門 炭治郎
ああ!あなたさんは甘い匂いを専門に、だっけ?
あなた

はい!他の匂いは鈍いのですが…

竈門 炭治郎
善逸は耳がよく聞こえて、伊之助は触覚が鋭いんだ!
あなた

そうなんですね、凄いです!

嘴平 伊之助
どうだ、俺、凄いだろっ?!
あなた

はい!善逸さんも伊之助さんも炭治郎さんも凄いです!私の持ってないものばかりで羨ましいです!

竈門 炭治郎
そうかな、そこまで言われると照れる。ありがとう。
嘴平 伊之助
…(ホワホワホワホワ)
我妻 善逸
うん、やっぱりあなたちゃんを嫁にするわ。夫をたてれる嫁って最高じゃない?!
竈門 炭治郎
善逸!
あなた

見て下さい、皆さん!

木々が少なくなる麓近くに来て、小さな町がみえる。
モクモクと湯けむりが空へと何本か上っている。
あなた

この町は小さいし、知名度も無いですが、深い温泉好きの方がよくお忍びで来られる町なんですよ!





山の麓の小さな町に着くと、私は後ろをついてきてくれた3人に振り返る。
あなた

すみません、お風呂屋さんに行く前に少し寄り道をしてもいいですか?

竈門 炭治郎
ああ!
入口の大通りを進んで行くに連れ、漂う湯の匂いが濃くなる。
湯けむりがあがる小さな川の上に架かっている小さな橋を渡る。
嘴平 伊之助
なんだこれ!
あなた

湯けむりです。私もこの橋で感じる湯けむりがとても好きなんです。

と、まず最初の1軒が見えた。
『高田』という立て看板が入口にある、お土産屋さんだ。
中の男主人がわざわざ外に出て、私に向かって手を振る。
土産屋『高田』・主人
お嬢ちゃん!あなた嬢ちゃん!
あなた

高田さん!!

土産屋『高田』・主人
どうだい、調子は?この前分けた食材、使えそうかい?
あなた

はい!実は昨日仕上げたので持ってきました!

私は店から出てきた男主人・高田さんに駆け寄ると、風呂敷を広げて、1つ目の巾着を取り出す。
高田さんは中を見ると「こりゃ綺麗なもんだな!」と言って笑ってくれた。
あなた

ありがとうございます!

土産屋『高田』・主人
店に置いとくよ!あなた嬢ちゃんのお菓子は温泉帰りの客さんに大人気だからね!
あなた

ありがとうございます!

島崎さん
あなたちゃーん、食材あるけど好きなの持ってくかーい?
あなた

島崎さーん!帰りに寄っても大丈夫ですかーーー?

島崎さん
いいよー!ゆっくり寄ってらっしゃーい!
嬢ちゃん!嬢ちゃんがくれたお菓子、家内が喜んでたよ!ありがとな!
あなた

いえいえ!こちらこそ、いつもお世話になってるので!

あなたちゃん!
あなたねぇさーん!
嬢さん!
高田さんと話していると、次から次へと皆さんが声を掛けてくれる。

私はその応対に忙しくなる。
我妻 善逸
愛されてんな、あなたちゃん。
竈門 炭治郎
そうだな!…どうした、善逸?
我妻 善逸
俺さ、今のあの子を見て安心してるんだ。…昨夜はその、…痛いくらい悲しい音がしてたからさ。
竈門 炭治郎
…そうだな、俺も安心した。
嘴平 伊之助
ホワホワホワホワ…(湯けむり)
我妻 善逸
お前、湯けむり好きなんだな。

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