第75話
あなたさん、甘露寺さんの食べる量は人並みではありませんよ。
勿論、知っています!蜜璃さんの注文のあった日はありったけの桜餅を作るんですから!
あ、あの…あなたさんと甘露寺さんって…
あ、えっと…蜜璃さんは祖父母の和菓子店のお得意様で、よく桜餅を頼んで下さってた方なんです。
そうなの!ここの桜餅がすっごく美味しくて、私ったらすぐにここのお店の常連になっちゃったのよ!
祖父母が亡くなって、お店を閉めることになって…直後に蜜璃さんが顔を出して下さって、『最終選別』の事を聞いたり、鬼殺隊の事を教えて貰ったんです。
そうだったんですね。では、一度蜜璃さんに連れられてこちらに来られたのは…
あ、そ、それは、
しのぶさんの元に蜜璃さんに連れて来て貰ったのは、私が藤襲山での最終選別を終えて間も無い頃だった。
怪我を負い、戦えるか否かという時に偶然にも蜜璃さんに助けられた。
思った以上に傷が深かった為、治療を蜜璃さんからしのぶさんにお願いして貰ったのだ。
そこで私の毒や薬が効きすぎてしまう身体を、少しでも一般的な身体へとするのに例の薬をしのぶさんから頂いた。
(先日の通り、薬を飲み切ってしまった後は、既に太一さん達の土地に張り付いて居たので貰いには行けませんでしたけど…(汗))
私が戦闘中に怪我をしている所を偶然にも蜜璃さんに助けて頂いて、
私がしのぶちゃんの所に案内してきたって訳なの!
蜜璃さんは私に「ねっ?」と桜餅を口に含みながら、笑いかける。
私もその笑顔に応えるように笑った。
成程、やっと理解出来ました。てっきりあなたさんが一方的に甘露寺さんを誑かしたのかと。
そうなのぉ!全然あなたちゃんはそんな事してないわ、って言ったんだけど、皆聞いてくれなくて!
それは貴方の説明があまりにも効果音塗れって言うのもあったのですが…あなたさんもそこはハッキリと否定すれば良かったのですよ。
えぇ!あなたちゃん、否定しなかったの?!私の事をもしかして気にしてくれたの??
えっと、そ、その、…
蜜璃さんの顔に心配や申し訳なささの色が現れる。
しのぶさんは相変わらず微笑んだまま。
蜜璃さんからあの土地の事を聞いて、鬼殺の任務放棄をしていたので、蜜璃さんと私の間に何か関係があると思われたら…と思いまして、
私は薄く苦笑いを浮かべて、右頬を人差し指でかく。
黙って流しておこうかと…
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