私は3人の会話の間に入ろうとする。
不安だ、嫌がられるかもしれない。
善逸さんが驚いた声を発すると、あわあわと焦り出す。
私はちらりと炭治郎さんと伊之助さんの顔を見ると、善逸さんと太一さんのご両親に向かって微笑を浮かべた。
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お風呂を済ませ、太一さんの宿で借りた浴衣に着替えて部屋に行くと、布団が既に4枚引いてあった。
そして、部屋の隅には炭治郎さんの背負い箱が。
しかし、そこに炭治郎さんの姿は無く、
枕を抱き締めて布団の上に座る善逸さんと、
既に布団の上に横になっている伊之助さんが居ただけだった。
右端の布団は既に伊之助さんが。
善逸さんはその隣の布団に座っている。
(ほ、殆ど決まっているような気がします…)
私が脱衣した衣類をぎゅっと抱き締めて、その布団に向かって足を進めていくと、
『バフッ』
何故か伊之助さんが左端の布団へと移動した。
へっへっへっ、と笑う伊之助さんに私は少し驚きながらも、今度は右端の布団へと足を進める。
『バフッ』
(えぇぇぇぇえ!)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。