第15話

サラッとね
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2019/08/24 21:33
猪人間
おい、古里!飯入れろ!
あなた

はい!

竈門 炭治郎
伊之助、あなたさんにやらせるな!それに彼女は古里じゃない!
あなた

ああ、大丈夫です。炭治郎さんもゆっくり食べてください。

『ガラガラ…』
黄色のおかっぱ男子
炭治郎ぉぉ、俺もうお腹ペコペコで動けないよぉぉ…
黄色いおかっぱ男子が入って来たのは、ちょうど私達が食事の準備を終え、猪人間が今まさに食べようとしていたところだった。
黄色のおかっぱ男子
え、何、お前ら。俺が必死に薪運んでるのに、楽しげに食事しちゃってさ。
竈門 炭治郎
善逸、ちょうど準備が終わったとこなんだ。一緒に食べよう。
あなた

あ、あの…

黄色のおかっぱ男子
あなた

わざわざ薪を集めて下さり、ありがとうございます。

黄色のおかっぱ男子
あなた

い、嫌じゃなければ、わ、私がご飯をよそいますので。

私はすっかり汚れてしまった黄色いおかっぱ男子の方に向き直ると、「ははは」とぎこちない笑顔を見せた。
黄色のおかっぱ男子
(やっぱり、また黙られた…)
黄色のおかっぱ男子
え…嘘…この子って禰豆子ちゃんを襲おうとしてた女の子?!
いきなりの大声に思わずビクッと反応してしまう。


(ね、禰豆子ちゃんって誰でしょう…?もしかして、あの背負い箱の中の鬼さんでしょうか?)
黄色のおかっぱ男子
何であんな面なんかしてたの?!勿体無いよ?!可愛いじゃん!普通に!!
あなた

なななな何言ってるんですか?!わ私はこんな顔だから、皆さん黙ってしまうんです!名前負けしてるし、『かぐや姫』様の格を下げまくっていますっ!!!

黄色のおかっぱ男子
いや、こんな可愛い子に可愛いって言わない奴らってどんだけ馬鹿なの?!ねぇ、馬鹿でしょ、そいつら!俺、君が可愛すぎて呼吸止まるかと思ったよ?!
あなた

ややめてください!本当に!

ずずいっと私に近づくと、可愛いだの、綺麗だの続けざまに言う黄色いおかっぱ男子に、私は戸惑いを隠せない。


(だだだだだ駄目です!)
黄色のおかっぱ男子
なぁ、炭治郎?!
竈門 炭治郎
ああ、あなたさんは自分が思っているよりもずっと綺麗だし、『かぐや姫』に名前負けしてないと思うよ。
あなた

竈門 炭治郎
俺もさっき綺麗だなと思ったから、なんて言えばいいか分からなかったんだ。
炭治郎さんは正座した状態で、こちらに笑いかける。
私はその顔に猪人間のご飯をよそう杓文字の手を止めてしまった。
竈門 炭治郎
でも、善逸みたいにこう言えばいいんだな…あなたさんは可愛い。
『ギューーーーンッ』

胸が一気に締めつけられる。


(なんですか、なんなんですか、3人ともなんなんですか…!)
あなた

すすすすいません、私が根暗だからそんなお言葉で励まして頂いてしまって

竈門 炭治郎
いやいや、俺は本当にそう思ったんだ。
『ブワワッ』

一気に体温があがる。
平静にそんな殺し文句を言える炭治郎さんは凄い。


(あ…あわわ…)
黄色のおかっぱ男子
何でコイツさらっとこんな事言えんの?ねぇ、何で?

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