第124話

手紙の話、真実の欠片
14,032
2019/12/28 13:26
竈門 炭治郎
禰豆子、かくれんぼは楽しかったか?
竈門 禰豆子
む〜♪
あなた

それは良かったです。私も楽しかったですよ!

竈門 禰豆子
むっむっ。
竈門 炭治郎
うん、またやろうな!
竈門 禰豆子
む〜っ♪♪
竈門 炭治郎
それにしても、禰豆子はすっかりあなたさんにべったりだな。
あなた

甘えたさんですね、本当に可愛いです。

竈門 炭治郎
禰豆子は長女で、人間の頃からよく我慢させ続けてた…着物もいつも自分が繕ったものを着ていて…だから、いつかは俺が綺麗な着物を着せてやりたいんだ。
あなた

そうだったんですね…

竈門 禰豆子
??
禰豆子さんは暫く首を傾げた後、目を細めて楽しそうに笑った。

そして、何かを思い出して懐からある物を取り出した。
竈門 禰豆子
むっ。
あなた

え、私にですか?

禰豆子さんから受け取ったのは手紙だった。

ただ、その手紙は例の昨夜の手紙だ。
分厚さと端がよれてしまっているのを見て、気づいた。
あなた

禰豆子さん、これをどうして…

嘴平 伊之助
俺様が見つけたんだ!
あなた

伊之助さんがですか?

どうやら私が机の上に置いていたのを伊之助さんが見つけたらしく、それを禰豆子さんが取り上げて懐に入れたのだ、という。
あなた

成程です。

禰豆子さんの手から受け取ると、私はその手紙をじっと見つめて考えた。
あなた

竈門 炭治郎
我妻 善逸
嘴平 伊之助
竈門 禰豆子
さっきまで賑やかだった空間があっという間に静まりかえる。

不思議そうに見つめる伊之助さんと善逸さん、
そして、心配そうにしている炭治郎さんに私は気付くと、微笑を浮かべた。


禰豆子さんは座り込むと私の手を下に引き、私をその場で座らせた。
竈門 炭治郎
…あ、あの、あなたっ、
あなた

大丈夫です、心配しないで下さい。

竈門 炭治郎
っ…
あなた

さっきお話をしようと思っていたのは、この手紙の事なんです。

我妻 善逸
えっと…一体何の話?全く見えて来ないんだけど…?!
嘴平 伊之助
ああ?勿体ぶってんじゃねぇ!何の話だ!
我妻 善逸
もう何でお前はそういう言い方しか出来ないの?!
あなた

ふふっ…

竈門 炭治郎
あなた…
竈門 禰豆子
む…
私は少しはにかんで、手紙を胸の前で抱きしめるように手で包む。
あなた

皆さん、私からお話があります。どうか聞いてくださいませんか?

心を穏やかに、そして逃げては居られない真実の欠片を口にする為に目を閉じた。
竈門 炭治郎
あなた…その、良いのか?
あなた

はい、大丈夫です。皆さんを巻き込みたくないと思うが故ですから、どうかお話させて下さい。

我妻 善逸
…いや、本当に話が見えて来ないんだけど…でも、あなたちゃんの話なら何だって俺は聞いちゃうよ?!どどんっと来ちゃって、どどんっと!
嘴平 伊之助
はぁ?!どういう事だ!今から何すんだ、月見団子!
我妻 善逸
だから、今からあなたちゃんが大事な話するって言ってんの!!!!後、月夜里 あなたちゃん!!
嘴平 伊之助
うるっせぇ!大きな声出すな!
竈門 禰豆子
むー、むーーっ!(怒)
禰豆子さんが伊之助さんと善逸さんを叱るように両手を拳にし、上に挙げて、ブンブン大きく振る。
竈門 炭治郎
そうだぞ!静かに聞かないと!
あなた

いいですよ、私もそんなに重く話はしたくなかったんです。

竈門 禰豆子
…?
あなた

私の勝手でごめんなさい。只、いつかは私の足元へとやって来る日の話なんです。私が…皆さんを巻き込みたくないだけなんです。

我妻 善逸
あなたちゃん…
嘴平 伊之助
竈門 炭治郎
あなた

あ、き、聞き流す程度で大丈夫ですから!本当に頭の片隅に少しだけでも残っていたらな、って思ってて…

私は胸の前で抱きしめた分厚い手紙にもう一度だけ視線を落とす。









あなた

……私、────

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