第39話

私の隣
24,283
2019/09/08 03:15
我妻 善逸
お前、そんな事してるとあなたちゃんに嫌われるぞ!
嘴平 伊之助
はぁ??
あなた

え!

我妻 善逸
いいか?!女の子には優しくしなきゃダメなんだ!
あなた

そ、そんな…その、充分皆さんに優しくして貰ってますよ、私…

我妻 善逸
へ?!
あなた

こ、これ以上は贅沢のしすぎになってしまいます…

我妻 善逸
ほらぁぁぁあ、あなたちゃんにこんな事言わせんな!
嘴平 伊之助
知るか!
伊之助さんは私にその端正な顔立ちを向けると、ニヤニヤと少し悪い笑みを浮かべる。

私はその表情に戸惑いながらも、どうしようかとあたふたしていた。
嘴平 伊之助
仕方ねぇな、俺の隣で寝るなら譲ってやってもいいぜ。
あなた

ととととと隣?!ですか?!

我妻 善逸
駄目!お前は絶対駄目!
嘴平 伊之助
なんでだよ!
我妻 善逸
あなたちゃんに何するか分かんないから!
嘴平 伊之助
ああ?!お前が隣で寝たいだけだろーが!
我妻 善逸
はぁっ?!?!おまっ、おい、お前っ、何言ってんのぉお?!
嘴平 伊之助
別にいーじゃねーか!何がそんなに駄目なんだよ!
(ほ、本当に、や、疚しい気持ちが無いんですね…)


私は善逸さんに噛み付く伊之助さんに向かって、震えそうな声で話した。
あなた

わ、分かりました。

我妻 善逸
本気?!
『スーー…』

襖が開いて、廊下から薬箱を持った炭治郎さんが現れる。
竈門 炭治郎
あなたさん、肩の辺りを怪我したって…
あなた

あ、はい。でも、大した怪我では無かったので。

竈門 炭治郎
太一さんから聞いたんだ。見せてくれ。
あなた

え、あ…

私は近づいてくる炭治郎さんに上手く返答が出来なかった。

私はその場で座らされると、浴衣の袖を大きくまくり上げて、例の肩口の怪我を見せた。
竈門 炭治郎
この薬は凄いんだ。俺のお師匠様が持たせてくれた薬で、凄くよく効くんだ。
炭治郎さんは取り出した薬を私の怪我部分に塗り、最後に薬箱に入ってあった包帯を巻いてくれた。

炭治郎さんの慣れた手つきによって、すぐに手当は終わった。
あなた

ありがとうございます。

竈門 炭治郎
こちらこそ、ありがとう。俺達はここに来てからあなたさんからお世話になりっぱなしだ。
あなた

い、いえ…!

竈門 炭治郎
それより、さっきは騒がしかったけど、何を話してたんだ?
あなた

そ、それは…

我妻 善逸
聞いてよ、炭治郎ぉ…伊之助がさぁ、あなたちゃんが俺の隣で寝るなら端を譲っても良いとか言い出したんだよぉ!炭治郎からも何か言ってやってよ!あなたちゃんも了承しちゃってさぁ!
竈門 炭治郎
伊之助は駄目だ。
嘴平 伊之助
だから、なんでだ!
竈門 炭治郎
伊之助は寝相が悪いから、あなたさんに迷惑をかけてしまう。俺の隣においで。
我妻 善逸
炭治郎、やっぱりお前はそこなんだね。
嘴平 伊之助
豚太郎の隣なんて嫌だね!
竈門 炭治郎
炭治郎だ!それにそんな言われ方をすると傷つくぞ…でも、実は、俺もあなたさんの隣がいいな、と思ってたんだ。
我妻 善逸
はぁ?!
あなた

どどどうしてですか?!

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