お前、そんな事してるとあなたちゃんに嫌われるぞ!
はぁ??
え!
いいか?!女の子には優しくしなきゃダメなんだ!
そ、そんな…その、充分皆さんに優しくして貰ってますよ、私…
へ?!
こ、これ以上は贅沢のしすぎになってしまいます…
ほらぁぁぁあ、あなたちゃんにこんな事言わせんな!
知るか!
伊之助さんは私にその端正な顔立ちを向けると、ニヤニヤと少し悪い笑みを浮かべる。
私はその表情に戸惑いながらも、どうしようかとあたふたしていた。
仕方ねぇな、俺の隣で寝るなら譲ってやってもいいぜ。
ととととと隣?!ですか?!
駄目!お前は絶対駄目!
なんでだよ!
あなたちゃんに何するか分かんないから!
ああ?!お前が隣で寝たいだけだろーが!
はぁっ?!?!おまっ、おい、お前っ、何言ってんのぉお?!
別にいーじゃねーか!何がそんなに駄目なんだよ!
(ほ、本当に、や、疚しい気持ちが無いんですね…)
私は善逸さんに噛み付く伊之助さんに向かって、震えそうな声で話した。
わ、分かりました。
本気?!
『スーー…』
襖が開いて、廊下から薬箱を持った炭治郎さんが現れる。
あなたさん、肩の辺りを怪我したって…
あ、はい。でも、大した怪我では無かったので。
太一さんから聞いたんだ。見せてくれ。
え、あ…
私は近づいてくる炭治郎さんに上手く返答が出来なかった。
私はその場で座らされると、浴衣の袖を大きくまくり上げて、例の肩口の怪我を見せた。
この薬は凄いんだ。俺のお師匠様が持たせてくれた薬で、凄くよく効くんだ。
炭治郎さんは取り出した薬を私の怪我部分に塗り、最後に薬箱に入ってあった包帯を巻いてくれた。
炭治郎さんの慣れた手つきによって、すぐに手当は終わった。
ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとう。俺達はここに来てからあなたさんからお世話になりっぱなしだ。
い、いえ…!
それより、さっきは騒がしかったけど、何を話してたんだ?
そ、それは…
聞いてよ、炭治郎ぉ…伊之助がさぁ、あなたちゃんが俺の隣で寝るなら端を譲っても良いとか言い出したんだよぉ!炭治郎からも何か言ってやってよ!あなたちゃんも了承しちゃってさぁ!
伊之助は駄目だ。
だから、なんでだ!
伊之助は寝相が悪いから、あなたさんに迷惑をかけてしまう。俺の隣においで。
炭治郎、やっぱりお前はそこなんだね。
豚太郎の隣なんて嫌だね!
炭治郎だ!それにそんな言われ方をすると傷つくぞ…でも、実は、俺もあなたさんの隣がいいな、と思ってたんだ。
はぁ?!
どどどうしてですか?!
いいねして作者を応援しましょう!
この小説を読んだ方は、こちらの小説も読んでいます
- ノンジャンル
失敗作少女
冷炎を恨んだ
favorite 165,150grade 11,668update 2024/04/17 - ファンタジー
最強、入隊します。
十三歳にして最強、 最速の呼吸の使い手。
favorite 27,527grade 4,206update 2024/03/25 - 青春・学園
ぶりっ子のフリっておもろくね?
『及川さぁぁん♡かっこいいですぅ♡』 (女にキャーキャー言われてっからって調子こいてんじゃねぇぞゴラ!) 『キャー!岩泉先輩ナイスキー♡』 (うぉぉ!!今のすげぇ!!) 『国見くんサボっちゃ、めっ!だよ!』 (センター分けの癖にサボんな) この小説の参考等は受け付けておりません。ご了承ください
favorite 308,868grade 16,009update 2024/03/30 - 恋愛
ただ、貴方の背中だけを……
中学で観た兄の試合で、忘れられない人と出会った__。 振り向いてほしい。 悲しませたくない。 応えたい。 でもどうしようもなく、好き。 行き交う“好き”のキモチ。 貴女が最後に選ぶのは、変わらず彼……? それとも……。 甘酸っぱい、切ない、恋の行方____。 ✑☁︎︎序章編..2話~340話 ✑☁︎︎本編編..344話~764話 ✑☁︎︎最終章編..766話~ ・ ・ ・ ※落ち不明 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✁キリトリ✁ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんな事あらすじに書きたくないけど、パクリなどは絶対にやめてください。
favorite 570,367grade 15,959update 2024/04/17 - ファンタジー
迎えを待ってたら疑われました。
「お酒は好き?」 『それなりには。』 「黒がお好きなんですか?」 『まあ…仕方なく着てるって感じですね。』 「(怪しい…)」 何で??? __________________ 新作総合ランキング 最高2位 新作ファンタジーランキング 最高1位 デイリーファンタジーランキング 最高1位
favorite 210,255grade 9,525update 2024/04/17
が好きなあなたにおすすめの小説
コンテスト受賞作品
もっと見るショートドラマ&アニメーション原案募集コンテスト
公式TikTokの注目動画
もっと見るチャレンジ小説
もっと見る- 青春・学園
嘘だけついていればいい
人見知りなんです、私。 本音を人に言ったら 嫌われるんじゃないかって不安で、。 そんな時…………。
- 青春・学園
夏が終わる
夏休み終了直前、陽介と奈津は夏祭りに行った 楽しんでいると、突然目の前が真っ暗になり、気づくと日付が戻っていた ずっと夏休みにいられると喜ぶ陽介に対し、奈津の表情は暗く…………
- ミステリー
最後の審判
同窓会をきっかけに、小学五年生の頃の記憶が蘇る。…記憶の中の自分達は、神と契約してこの地にとどまる怨霊を祓っていた。なぜ突然記憶が蘇ったのか。自分達には何ができるか。謎は、紐を解くように簡単ではないのである。 ミステリー、ホラー、コメディ、トラジティ。要素は様々。あなたはどう見る? 表紙、その他イラストは私 (チャプターの数を数えています) 第一章 6年越しのプロローグ 始発 一話 不穏な同窓会 二〜十五話 記憶共有 十六〜 黒い影編 十九話〜二十八話 ロンドン橋の少女編 三十一話〜
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!