今まで君と俺は一緒に生きてきた。
同じ釜の飯を食い、贈り物を交換して…
人間が嫌いだった俺が君に全てを捧げる覚悟をするぐらいになった。
優しくて、優しくて…俺のたった1人の可愛い姫。
だから…
俺は君の " そういう所 " が ────
──── 時々、無性に恐くなる。
君がいとも簡単に自分の命を犠牲にするのではないか、と。
己がぽーんと投げ棄てた命で救える何かがある、なんていう綺麗事を、戯言を、
君が本気で信じてしまうのではないか、と。
そして、その考えは今も君をきっと蝕んでいる。
俺の顔が君の瞳に反射して、俺が今苦しそうに歪んでいる表情を浮かべているのが分かった。
君は静かに俺の言葉を受け止めた様子で続ける。
君は顔を上げて、遠くの方で燃ゆる炎を見た。
君の身に得体の知れない死の恐怖が迫っているのに、村の人間たちは神とやらに捧げる祭りで精一杯の様子だった。
君はこんな時でも…
いや、どんな時でも美しく笑う。
君の身を傷つける呪いが、どんなものかも分からないというのに。
本当は恐いだろうに。
それでも俺に心配させないようにと、笑みを零れさせるのだ。
(結局、姫ハ…タダノ優シサノ塊ナンスヨネ。)
どんなに君が「目的の為だ」「野心塗れだ」「愚か者だ」言おうとも、
結局は君の誰かを想う優しさに落ち着いてしまう事に、
君はきっと気づいていない。
君を襲おうとする魔の手は呪いだけじゃない。
その手は着々と君の背中を追い続けていた。
君を元の世界へと引きずり込もうとする、
" あの男 " の手が。
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こんにちは、さくらどろっぷ.です🌸
『霽月の下に』をいつも読んで下さり、ありがとうございます🙇🏻♀️✨
今日は少し大切なお話があって、チャプター中にお邪魔させて頂いております。
本作品は現在162話なのですが、
私が考えているお話の完結までを予測すると平気で200話を超え、大体400話ぐらいまでいきます。
(毎度毎度の事ですみません💦💦💦)
そこで、前編と後編に分けたいのですが、
この作品、面白…いですか?
私の自己満足で書いているので、私は好きですが、
後編まで用意してお腹いっぱいになりません…?
もし、後編(完結)まで読みたい!という方がいらっしゃれば(いて欲しい…!)、
私の雑談部屋『the moon blooms.』まで飛んで頂き、
該当チャプターに❤を押して頂けると有難いです🙏💦
自分が思う以上に少なければ、
前編(約200話、本作品)で完結という形で終わりたいと思います。
お手数ですが、宜しくお願いします🙏💦💦
さくらどろっぷ.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。