あなたside
ピッピーピッピー
『…んっ…』
目覚ましの音で目が覚めて
携帯を確認する
携帯を開くと辰哉はもう起きてて
L〇NEが入っていた
辰哉に連絡を返してから
私もベットから出てリビングに行く
忠「おはよぉ…」
少し眠そうなお兄ちゃんがリビングで
コーヒーを飲んでいた
『おはよう!もう起きてたんだね!』
忠「今日あなたが家出てしまうからな」
そう言って微笑む
『起きてくれたの?ありがとう』
忠「嫌なことあったらすぐ帰っておいでや」
『うん!ありがとう!』
お兄ちゃんと改めて話すと
小さい時にお兄ちゃんに着いて来た東京
ずっとお兄ちゃんと住んで
沢山お兄ちゃんに助けてもらったな…
忠「今日どうやって行くん?」
『辰哉が迎えに来てくれる!』
忠「へぇ…辰哉ね?」
そう言ってお兄ちゃんはニヤッと笑う
『何よ…』
忠「いつから辰哉って呼ぶようになったの?」
あっ…やってしまった…
私お兄ちゃんの前でずっと
ふっかって呼んでたんだった…
忠「早く用意しないと辰哉が来ちゃうよ?」
お兄ちゃんはわざと"辰哉"と呼んで
ニヤニヤこっちを見てくる
『…顔洗ってくる!』
逃げるように洗面所に行き顔を洗う
忠「あなたが幸せそうで良かったよ」
『え?』
振り返るとお兄ちゃんが洗面所の扉に
もたれてこっちを見ていた
忠「辰哉に泣かされたら俺にすぐに教えてな」
そう言って頭を撫でる
『うん…ありがとう』
私がそう言うとお兄ちゃんは
またリビングに戻って行った
お兄ちゃんに…
付き合ってるのバレた…
.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!