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第11話

( Ⅺ )
黒尾先輩は好きな子がいる、と言った。
私の恋はまた叶わない
誰にも敵わないんだろう、きっと。

私、初恋だったのに…
そう思うと、涙が止まらなかった。

どう頑張っても
私は彼の隣にはいれない
彼の傍で支えることはできない。

そう、思った。

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山下 琳華
山下 琳華
…え?好きな子、って?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
俺、ずっと琳華のことしか
見てなくて、周りを見ることが
できなかったんだ。
山下 琳華
山下 琳華
でも、あの日来てくれたじゃない
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
そりゃ、行くだろ。
でも、俺はあの日ある女の子と一緒にいた
あの日、というのはきっと、
琳華さんの元へ駆けつけた日。
そしてその、ある女の子、は私のことだろう。
山下 琳華
山下 琳華
その子がなんだって言うの!?
私の方が長く一緒にいたじゃない!
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
だから何だよ?自分が振ったんだろ
それに俺、琳華のこともう吹っ切れてるから
山下 琳華
山下 琳華
なにそれ…ッ
その女の子って、あの子でしょ…?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
あの子って?
山下 琳華
山下 琳華
七海ちゃん?だっけ?
夜久くんの従姉妹?の
少しだけ間があった。
嫌な間だ。

私の名前を出されて
黒尾先輩はきっと困っている。
好きでもない相手の名前を出されて、きっと…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
そうだよ、俺は七海ちゃんが好きだよ
彼の口から言われたその言葉を
私は最初信じられなかった。

(…え、いまなんて…?)
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
俺は七海ちゃんのことが好きだ
山下 琳華
山下 琳華
なんで…っ
あの子なの!!
私の方が鉄朗のこと好きなのに!
彼女はそう言って
階段の方に走っていった。
私は玄関の方に急いで走った。
このままだったらきっと黒尾先輩にあってしまう。
泣いているところを見られてしまう。

諦めるって決めたんだ。
好きにならないって、決めたのに。
朝倉 七海
朝倉 七海
ずるいよ…っ
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
七海ちゃん?
黒尾先輩の声が後ろから聞こえた。
朝倉 七海
朝倉 七海
…なんで……
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
泣いてるの?
黒尾先輩が私の手を掴んだ
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
ねえ、七海ちゃん…
朝倉 七海
朝倉 七海
泣いてませんっ。離して、ください…っ
黒尾先輩の顔を見れない
諦めるって決めたのに
彼への気持ちが溢れてしまう。

(好き。好きだよ…先輩…っ)
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
七海…ちゃん…
彼は私の前に来た。
顔が見えないように俯いた。
優しい彼の声が聞こえる。
その声に、その優しさに涙が止まらない。
朝倉 七海
朝倉 七海
何ですか…っ
彼は優しく抱きしめてくれた。
気が済むまで泣けば良いよと言ったくれた。

____________________

私が泣き止むと彼は頭を撫でてくれた。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
大丈夫?
朝倉 七海
朝倉 七海
…はい、すみません…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
いいよいいよ
朝倉 七海
朝倉 七海
すみません…
落ち着いてよく考えると
私はまだ黒尾先輩に抱きしめられたままだった。
顔が熱くなるのがわかる。
朝倉 七海
朝倉 七海
…ぁ、あの!
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
ん?
朝倉 七海
朝倉 七海
か、帰ります!
彼から離れようとしても
さらに強く抱きしめられて
離れることができなかった。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
だめ、まだこのままがいい…
朝倉 七海
朝倉 七海
…なんで……?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
女の子泣かせたのに
このまま帰れないんですけど
朝倉 七海
朝倉 七海
別に、黒尾先輩のせいじゃ…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
じゃあ黒尾さん心配になる。
誰が泣かせたの?
彼は私の顔を見ながらそう言った。
思ってるよりも顔が近くて
ドキドキした。

(先輩の顔、めっちゃ整ってる…かっこいい…)
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
ん?
朝倉 七海
朝倉 七海
あ、いえ…
私が勝手に泣いただけなので!!
私はそう言って彼から離れて
急いで玄関に行った。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
あ、ちょっと待って!
彼のその声を無視して
私は校門まで走った。
朝倉 七海
朝倉 七海
ハァ……ハァ…っ、ハァ…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
足早いね、七海ちゃん。
…ハァ、俺追いつくの大変だったわ
そう言って私の前に来た彼。
困ったように笑いながら
「家まで送るよ」と言ってくれた。

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黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
俺ね、琳華のことばっか考えてたんだ
春高の時とか、琳華の高校と対戦した時
琳華も音駒だったらなとか思ってた
急にそんなことを言い出した彼の話を
私は頷きながら聞くことしかできなかった。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
でも、七海ちゃんに告白されてから
少しずつ意識し始めたんだ
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
琳華ばっかりだったの
変えてくれたの七海ちゃんなんだよ
彼はそう言って笑っていた
朝倉 七海
朝倉 七海
私…ですか…?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
そうだよ
朝倉 七海
朝倉 七海
でも私…たくさん困らせて…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
俺は全然困ってないよ
それに、俺の方が七海ちゃん
困らせてばっかりだからさ
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
ごめんね
真剣な面持ちでそう言った彼から誠意を感じた。
朝倉 七海
朝倉 七海
謝らないでください!!
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
…ありがとう、七海ちゃん
朝倉 七海
朝倉 七海
いえ、こちらこそ……
彼はニコッと頷いて私の手を握った
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
あと少しで家着くね
朝倉 七海
朝倉 七海
…少しだけわがまま言ってもいいですか?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
うん、どうしたの?
朝倉 七海
朝倉 七海
まだ、一緒にいたい…です…
少しずつ声が小さくなる。
恥ずかしい、こんなこと普段は言わないのに。
ちゃんと聞き取ってくれた黒尾先輩は
私をある場所に連れて行ってくれた。