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第17話

( XVII )
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
待って!
彼は私の前に来た。
そして、「忘れないよ」と言った。
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
七海ちゃんがこうやって
告白してくれたこと、
俺は絶対忘れない
朝倉 七海
朝倉 七海
なんでですか
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
…嬉しいじゃん、普通に
朝倉 七海
朝倉 七海
でも、忘れてください…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
忘れない。忘れないけど…
彼は少し間をおいて話した。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
俺、好きな子いるんだよね
そうやって笑う彼は
夕日に照らされて綺麗に見えた。
そして、儚く見えた。















_________ やっぱり、な…
朝倉 七海
朝倉 七海
……やっぱり…
泣いちゃダメ。
振られるために言ったんでしょ。
なんで、止まってくれないの。
…涙も、彼への想いも。
朝倉 七海
朝倉 七海
………私じゃ、ダメ、なんですね…
あの時から聖奈ちゃんのことが
好きなんじゃないかって思ってたし、
私はもう必要ないんだと自覚した。

だから彼を避けるようになったし
彼を忘れようと思った。










事故に遭って良かった、とまで思った。
私は運良く助かったけど
本当にあと数分遅れていたら
死んでいたかもしれない。












あのまま記憶が戻ってなかったら
こんな辛い思いをすることもなかっただろう。
朝倉 七海
朝倉 七海
困らせちゃって、ごめんなさい…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
なんで、謝るの?
朝倉 七海
朝倉 七海
黒尾さんを困らせてしまったから…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
別に俺、困ってなんかないよ
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
七海ちゃんの気持ちが聞けて良かった。
朝倉 七海
朝倉 七海
…もう、絶対言いません
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
言わないなら、俺の心の中に
ちゃんとしまっておくよ
朝倉 七海
朝倉 七海
…そうしてください
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
ありがとう、七海ちゃん
彼は私の頭をポンポンとする。
(最後まで優しくしないで…)


遠くから七海!と呼ぶ声が聞こえた。
衛輔くんだった。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
ほら、夜っ久んが呼んでるよ
朝倉 七海
朝倉 七海
はい…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
またね、七海ちゃん
そう言って彼は
私と反対方向に歩いて行った。

わたしは衛輔くんの方に…































高2、夏 _________
_________ 朝倉七海、2度目の失恋







































________________________



























あれから3ヶ月。
もうすぐわたしの誕生日 _________
間宮 薫
間宮 薫
なーなみ!
朝倉 七海
朝倉 七海
薫、おはよう!
あの事故以降車椅子生活だったが
リハビリも終わり完治して
最近普通に歩けるようになった。
間宮 薫
間宮 薫
もうすぐ誕生日だね!七海!
朝倉 七海
朝倉 七海
うん!
10月25日、私の誕生日。
その日の予定空いてるのかと薫に聞かれたとき
すぐに答えることができなかった。

その日、衛輔くんたちの試合が入るかもしれなかったから。
間宮 薫
間宮 薫
試合、見に行くの?
朝倉 七海
朝倉 七海
うん。
間宮 薫
間宮 薫
辛くない?大丈夫?
朝倉 七海
朝倉 七海
大丈夫だよ、もう3ヶ月も経ってる…
辛くない?と聞かれても
辛いとは言えなかった。
本当は辛い悲しい苦しい。でも、
それ以上に、それが彼らの最後の試合になってしまうかもしれないから、わたしは彼らを応援したいと思った。
間宮 薫
間宮 薫
…一人で見に行かせるのは不安。
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
仲村 聖
仲村 聖
私も!
佐々木 遙
佐々木 遙
俺も
朝倉 七海
朝倉 七海
みんな…
仲村 聖
仲村 聖
…みんなで見に行こう?
朝倉 七海
朝倉 七海
…うん!
佐々木 遙
佐々木 遙
またなんかされたら困る
朝倉 七海
朝倉 七海
何もされないよ!
佐々木 遙
佐々木 遙
あの人はさ記憶戻ったこと知ってんの?
朝倉 七海
朝倉 七海
ううん…
そう、私は未だに黒尾さんに
記憶が戻ったことを話せていない。

衛輔くんと研磨くんには話したけど
黒尾さんには言わないで、と言った。
佐々木 遙
佐々木 遙
話さなくていいのか?
朝倉 七海
朝倉 七海
言わなきゃなんだけど…
孤爪 研磨
孤爪 研磨
いんじゃない?別に言わなくても
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
孤爪 研磨
孤爪 研磨
クロ、そのうち気づくと思うし
朝倉 七海
朝倉 七海
いやでも…
孤爪 研磨
孤爪 研磨
ゆっくりでいいと思う。
研磨くんはそう言って教室に向かった。


_____________________



そろそろ黒尾さんに言わないと…
そう考えながら授業中も過ごしていた。
間宮 薫
間宮 薫
七海
朝倉 七海
朝倉 七海
…ん?
間宮 薫
間宮 薫
なんか、後輩ちゃんが呼んでるよ
放課後、私たちの教室を訪ねてきたのは
聖奈ちゃんだった。

ちょっと話があると言われ連れて来られたのは
屋上に繋がる階段。
朝倉 七海
朝倉 七海
聖、奈、ちゃん…?
早川 聖奈
早川 聖奈
あの
朝倉 七海
朝倉 七海
何?
早川 聖奈
早川 聖奈
まだ鉄朗くんのこと好きなんですか?
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
早川 聖奈
早川 聖奈
鉄朗くんのこと、
好きなのか聞いてるんですけど
すぐに答えるのが怖かった。
みんなにはそう思わせないように
3ヶ月振る舞っていたのに。
朝倉 七海
朝倉 七海
……いや…そんな…
早川 聖奈
早川 聖奈
諦めてもらっていいですか
朝倉 七海
朝倉 七海
なんで…?
早川 聖奈
早川 聖奈
不安になるんです!
鉄朗くんが好きなのは
私のはずなのに!って!
朝倉 七海
朝倉 七海
…どういうこと?
早川 聖奈
早川 聖奈
あなたと別れてから
私と付き合ってるんです、鉄朗くん
やっぱり、そうだったんだ。
あの時からわたしは必要とされてなかった。
早川 聖奈
早川 聖奈
七海さんの記憶が戻らないって聞いて
チャンスだって思って告白したら
いいよ、って言ってくれたんです
朝倉 七海
朝倉 七海
そう、なんだ…
良かったじゃん、黒尾さんと付き合えて
早川 聖奈
早川 聖奈
でもあなたが告白してから!
またあなたを気にするようになった!!!
少しずつ彼女に距離を縮められて
わたしは階段側に立った。
朝倉 七海
朝倉 七海
もう、好きじゃないから安心してよ
早川 聖奈
早川 聖奈
好きじゃないわけない!
あんたの見る目はあの頃と一緒じゃん!!
また距離を詰められ
後ろに1歩下がろうとした時
床の感覚がなかった。
もうそこは階段の1段目。












私は踏み外して階段から落ちた。
















__________________











早川 聖奈
早川 聖奈
……っな、七海さん!!!
彼女の慌てる声が聞こえた。
彼女は誰か呼んでくると言って
下りていった。
















_______________________













朝倉 七海
朝倉 七海
もう、いいよ…
誰も呼ばなくていい。
このまま、私いなくなったっていい。
このまま ________________

































_________ 七海!!!!
はっきり聞こえた男の人の声。
でも、衛輔くんでも研磨くんでもなかった。

階段を上る足音がした。
荒い息遣いも聞こえる。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
…七海、七海…!
朝倉 七海
朝倉 七海
く、ろ…お…く、ん…
そんな大きな声なんて出ない。
目を開くのでさえちょっと辛い。


頭が痛い、体が痛い。
至る所全て、階段から落ちて痛めている。
血が出ていないことが幸いだ。
短い階段でよかった。
一番来てほしくない人が、来てしまった。
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
七海!!!
うっすら見える視界の中、
彼は汗だくでとても慌てていた。

そんな彼が愛おしくて、
ちょっと笑ってしまった
朝倉 七海
朝倉 七海
……フフッ………
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
何笑ってんだよ!
朝倉 七海
朝倉 七海
…ちょっと…可愛い、くて…つい…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
喋んなくていい!
とりあえず保健室連れてくから!!!
その彼の声は少しずつ遠くなっていった。