授業が終わり、私は急いで帰った
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午後9時
バイトが終わり家に帰る途中。
黒尾先輩に会った。
その時は黒尾先輩の言葉に甘えて
送ってもらうことにした。
一緒に電車にも乗って
家まで送ってもらうことになった。
彼はそう言って笑っていた。
黒尾先輩と話す時間はとても楽しかった。
気づけば家の近くまで来ていた。
黒尾先輩は家が反対方向なのに
わざわざ電車に乗ってまで
私を家まで送ってくれたのだ
彼はそう言って帰っていった。
そう言って私たちはお互い家に帰った。
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次の日、黒尾先輩にお礼を言おうと思い
バイトがなかったので放課後まで待つ事にした。
衛輔くんの部活が終わるのを待とうと思っていると、玄関で黒尾先輩に会った
そう言って
昨日の夜に作ったクッキーを渡した。
もちろん、朝に衛輔くんにも渡している。
彼は「ありがとう」と言って受け取ってくれた。
研磨くんがやってきた。
その後ろから衛輔くんも。
研磨くんそう言って黒尾さんと帰っていった。
私も衛輔くんと帰る。
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5日後。
今日は衛輔くんたちの
春高予選の日だ。
みんなと駅で待ち合わせをして
体育館まで歩いた。
みんなで話していると
すぐ体育館に着いた。
音駒高校の応援席を確認して
ギャラリーに向かう。
ハルと研磨くんも話していた。
私は黒尾先輩を探していた。
すると…
突き当たりの角から
黒尾先輩の姿が見えた。
黒尾先輩の横にいたのは
音駒以外の制服を着た女の子。
黒髪ロングで足が細くて
とっても可愛らしい人だった。
(彼女……かな…)
彼女は山下 琳華(やました りんか)さんという人らしい。
どういう関係かまだは聞かなかったが
バレーの試合は毎回見にきているとのこと。
(黒尾先輩のファンなのかな)
少しだけ胸騒ぎがした。
他の女の人と話してるだけで
少しだけ胸が痛くなる。
あの笑顔が私に向けられることは
ないんだろうなと考えると悲しくなった。
(もしかして…わたし…)
私はみんなについていき、
ギャラリーに向かった。
(琳華さんってどんなひとなんだろ…)
とても気になっていた。
それと同時に、私は黒男さんのことが気になっているのだと気づいた。
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今日は1試合目勝てばもう1試合あるらしい。
無事に1試合目に勝利し
午後から2試合目がある
私は衛輔くんのお弁当を持って行った。
私がうなずくと
夜久くんと研磨くんが呼んでいた。
後ろを振り向く赤いユニフォームの彼。
私に気づいて急いで階段を上がってきた。
衛輔くんが試合の時は
私が必ず応援に行くので
お弁当を作っているのだ。
ついでに差し入れも渡しといた。
彼はそう言ってまた階段を下りる。
私もみんながいるところに向かった。
廊下を歩いていると
黒尾先輩と琳華さんの姿が見えた。
そう言って彼女は彼の手を握っていた。
黒尾先輩の笑顔は私に向けられるものとは
違ってとても優しく愛しい笑顔だった。
胸が痛かった。
(早くみんなのところに…)
そう思って急いで戻った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!