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第13話

( XIII )
その日、黒尾くんを誘ってみたが
案の定、彼は今日も帰らないと言ってきた。

ちょっと怪しいな、と感じて彼を待ってみたが
彼は聖奈ちゃんと玄関を出た。
(やっぱり、聖奈ちゃんと帰るんだ…)
夜久 衛輔
夜久 衛輔
七海、帰るぞ
後ろから聞こえたのは衛輔くんの声。
頭をポンポンとされ
「今日は俺と帰ろう」と言ってくれた。

衛輔くんの横に並んで帰る。
こうやって一緒に帰るのはいつぶりだろうか。
朝倉 七海
朝倉 七海
衛輔くん…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
どうした?
朝倉 七海
朝倉 七海
……どうして…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
黒尾と何かあったのかなって
衛輔くんは気づいていたみたいだ。
最近私たちが上手くいっていないことを。
朝倉 七海
朝倉 七海
…別に。
夜久 衛輔
夜久 衛輔
聖奈、だろ?
朝倉 七海
朝倉 七海
え…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
顔は俺のタイプだけど
マネージャーとしてはイマイチだな
朝倉 七海
朝倉 七海
どうして?
夜久 衛輔
夜久 衛輔
どう考えても黒尾目当てだから
そんなにあからさまなのか…

部活中も黒尾くんにベタベタだし
彼女がいることも分かってるのに
毎日昼休みにも会いに来ているらしい。
夜久 衛輔
夜久 衛輔
黒尾も黒尾だけどね
朝倉 七海
朝倉 七海
…ちゃんと話がしたいんだけど、
出来なくて…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
そりゃ七海からは言えないよな…
朝倉 七海
朝倉 七海
だから、どうしたらいいなわかんなくて…
不安なの、毎日毎日…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
…なあ、七海…
衛輔くんが何か言いかけた時、
彼の歩く足が止まった。
朝倉 七海
朝倉 七海
衛輔くん?
夜久 衛輔
夜久 衛輔
ちょっと遠回りして帰ろう…
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
私はさっきまで俯いていた。
顔を上げると同じ制服を着た男女がいた。
楽しそうに笑い合う2人。
朝倉 七海
朝倉 七海
く、ろおくん…っ
声に出てしまいそうだった。
「なんでその子と一緒なの?」って
「相談乗るだけってそんなに楽しいの?」って

彼らは私たちに気づかないまま歩いて行った。
夜久 衛輔
夜久 衛輔
七海、行こう
朝倉 七海
朝倉 七海
……う、ごけ…ない…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
え?
私は足がすくんで動けなくなっていた。
夜久 衛輔
夜久 衛輔
おい!七海!!大丈夫か!?
朝倉 七海
朝倉 七海
うん……
夜久 衛輔
夜久 衛輔
…なあ、七海…
衛輔くんは私をぎゅっと抱き寄せた
朝倉 七海
朝倉 七海
衛輔くん…?
夜久 衛輔
夜久 衛輔
…俺じゃ、ダメかな…?
彼は耳元ではっきりとそう言った。

突然の衛輔くんからの告白。
いつも隣にいたのに
私が気づけなかった衛輔くんの気持ち。
朝倉 七海
朝倉 七海
え…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
…黒尾じゃなくて
俺が七海を笑顔にしたい
俺が七海を幸せにしたい
朝倉 七海
朝倉 七海
衛輔くん…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
…俺たち、従兄弟なのにな…
そう言って彼は悲しそうに笑っていた。
私は何も言えずただ、彼の腕の中で涙を流した。

(ごめん、衛輔くん…っ)
朝倉 七海
朝倉 七海
衛輔くん、わたし…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
分かってるから、言わなくていいよ。
ただ、七海を笑顔にしたいって気持ちは
ずっと前から変わらないから
彼はそう言って私から離れてまた隣に立った。
夜久 衛輔
夜久 衛輔
行こっか
昔から衛輔くんは
私のことを笑顔にしてくれる。
そんな彼がこうやって自分の気持ちを言ってくれたのは初めてだった。
朝倉 七海
朝倉 七海
衛輔くん、ありがとう
夜久 衛輔
夜久 衛輔
うん
彼はハハっと笑って
頭を優しく撫でてくれた。

私は彼のことも少し意識しようと思った。