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第10話

( Ⅹ )
あれから約2ヶ月が経った。
あの日以降、
私は毎日黒尾さんと連絡を取るようになった。

たまに写真を撮りに行ったりする時も
ギャラリーじゃなくて
下で撮っていいよと言われ
最近はみんなの近くで撮るようになった。
猫又先生もいいよと言ってくれた。

3年生が卒業し
黒尾先輩の足も治り
いつも通りの"音駒"になってきた。

(ああ、これが…)
黒尾先輩が引っ張っている
そのチームは私の中で日本一だった。

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ある日、体育館に行くと
見覚えのある人がいた。
朝倉 七海
朝倉 七海
…ぇ、なん、で…
黒尾先輩と話しているのは
琳華さんだった。
孤爪 研磨
孤爪 研磨
あれ、琳華ちゃんだ
朝倉 七海
朝倉 七海
…研磨くん
孤爪 研磨
孤爪 研磨
大丈夫?
朝倉 七海
朝倉 七海
え?
孤爪 研磨
孤爪 研磨
琳華ちゃん見ると
思い出すんでしょ
朝倉 七海
朝倉 七海
あ…
研磨くんは私が
黒尾先輩のことを好きだということを知っている。

黒尾先輩が琳華さんに未練タラタラなのも
琳華さんと何があったのかも知っている。
朝倉 七海
朝倉 七海
…大丈夫、だよ
孤爪 研磨
孤爪 研磨
そう?無理しないで
何かあったら俺でもいいし
衛輔くんにでもいい。誰かに言いなよ?
朝倉 七海
朝倉 七海
うん…
私は研磨くんと体育館に入った。
すると琳華さんが私に気づき歩いてきた
山下 琳華
山下 琳華
こんにちは!
朝倉 七海
朝倉 七海
…こんに、ちは…
山下 琳華
山下 琳華
去年の春高の時、少しだけお話しました、よね?
覚えててくれたんだ。
こんな何も特徴のない私を
朝倉 七海
朝倉 七海
あ、はい…
山下 琳華
山下 琳華
鉄朗から夜久くんの従姉妹だって聞いて!
あぁ、これくらいになると
これくらい黒尾先輩との距離が近くなると
呼び捨てもできちゃうんだな
朝倉 七海
朝倉 七海
あ、そう、です…
夜久 衛輔
夜久 衛輔
琳華!
山下 琳華
山下 琳華
夜久くん!
夜久 衛輔
夜久 衛輔
何しにきたんだよ
山下 琳華
山下 琳華
何って卒業したから
鉄朗に会いに来たの
話があって
夜久 衛輔
夜久 衛輔
話って
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
…なんだ、よ…
山下 琳華
山下 琳華
練習終わってからにしよう。
ギャラリーにいるから、私
そう言って彼女はギャラリーに行った。
朝倉 七海
朝倉 七海
……っ…はぁ…
孤爪 研磨
孤爪 研磨
ねぇ、大丈夫?
研磨くんはとても心配していた。
朝倉 七海
朝倉 七海
…うん、ありがとう……
孤爪 研磨
孤爪 研磨
夜久くんも
琳華のことちょっと苦手っぽいからね
朝倉 七海
朝倉 七海
…そう、なの?
孤爪 研磨
孤爪 研磨
苦手っていうか
あんまり関わりたくない?っていうか
あの2人付き合ってたし
私はそのことを知らなかった。
そういえば、中1の時に彼女ができたと聞いた。
でもそれ以降は全くその話をしてくれなくて
私は衛輔くんのこと、自分が思っているより
何も分かっていなかった。何も知らなかった。
朝倉 七海
朝倉 七海
つき、あってたん、だ…
孤爪 研磨
孤爪 研磨
聞いてないの?
朝倉 七海
朝倉 七海
他校の子と付き合ったとしか
聞いてなくて
名前もどこの子かも知らなくて
孤爪 研磨
孤爪 研磨
まあ、1個上だもんクロたちの
俺たちあんまり関わらないし
朝倉 七海
朝倉 七海
研磨くんはなんで知ってるの…?
孤爪 研磨
孤爪 研磨
俺と琳華ちゃんとクロは幼馴染なんだ
朝倉 七海
朝倉 七海
幼馴染…
彼らは昔から仲が良く
琳華さんも中学までは
バレーボールをしていたそうだ。

高校は別になったけど
帰り道も同じだし
たまに家に行って遊んでたらしい。

黒尾先輩と琳華さんは
黒尾先輩が中2の頃から付き合っていた。
でも去年の春高で
琳華さんと別れたらしい。

それを機に琳華さんは
関西の大学に行くことにしたそうだ。
そして黒尾先輩はいまも琳華さんのことを
忘れられずにいるそうだ。
孤爪 研磨
孤爪 研磨
クリスマスくらいかな、
クロと一緒にいたんだっけ?
朝倉 七海
朝倉 七海
あ、うん…
黒尾先輩が琳華さんの元へ駆けつけた日
孤爪 研磨
孤爪 研磨
あの日、琳華ちゃんの両親が亡くなったんだ。
交通事故で。
朝倉 七海
朝倉 七海
え…
孤爪 研磨
孤爪 研磨
その時に駆けつけたのがクロだった
朝倉 七海
朝倉 七海
そう、だったんだ…
琳華さんにとって黒尾先輩は大切な人なんだ。
あの二人の間に私が入る隙なんてなかった。
孤爪 研磨
孤爪 研磨
…クロ、琳華ちゃんのことになると
頭ん中いっぱいいっぱいになるんだ
朝倉 七海
朝倉 七海
そっか…大事な人だもん…
孤爪 研磨
孤爪 研磨
…琳華ちゃんがクロ離れ出来ないんだよ
朝倉 七海
朝倉 七海
どういうこと…?
孤爪 研磨
孤爪 研磨
クロがまだ自分のことを好きだと思ってる
朝倉 七海
朝倉 七海
そっか……
黒尾先輩はさっきの会話を聞いてても
少しだけ嫌そうにしていたな、と思い出した。
黒尾先輩は吹っ切れているはずなのに
琳華さんは未だに黒尾先輩に執着している気がした。

_____________________

練習が終わり、黒尾先輩と琳華さんは
ギャラリーに行った。

盗み聞きは良くないって分かってたけど
どうしても気になった。
私は誰もいなくなった体育館に残った。
2人に見えないところで。
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山下 琳華
山下 琳華
ねえ、鉄朗
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
何?
山下 琳華
山下 琳華
私たち、ヨリを戻さない…?
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
なんだよ、今更…ッ
山下 琳華
山下 琳華
私、鉄朗が好きなの
鉄朗が居なきゃだめなの
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
……琳華…
黒尾先輩はなんて言うんだろうか。
琳華さんに自分の思いを
ちゃんと言えるのだろうか。
山下 琳華
山下 琳華
好き、だよ…
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
…ごめん、琳華
彼はなぜか謝った、そして
黒尾 鉄朗
黒尾 鉄朗
俺、好きな子居るから
そう言った。