授業なんか集中出来るわけもなく
お昼になった
小瀧「あなた、」
あなた「な、何?」
小瀧「ちょっとええか?」
あなた「しゃーなしやで」
なんて言って、2人で屋上へ行く
小瀧「なあ、」
あなた「なんや、」
小瀧「俺の事覚えてへん?」
あなた「し、知らん」
小瀧「あの事故の日にずっと名前呼んでたん俺やで」
てことは、重岡の話ほんまやったん
あなた「……」
小瀧「やっと会えた…」
あなた「ッ………」
なんで大切な人ほど忘れてまうんやろな
あなた「のぞ、む…」
小瀧「久しぶりやわ。名前で呼ばれたん」
あなた「ごめん…忘れててごめん…思い出せなくてごめん…」
小瀧「しゃーないやん。事故やって、悪いんあなたちゃうし。忘れてたのやって事故のせいやん」
あなた「でも……」
小瀧「守ってやれへんかった。」
あなた「え、?」
小瀧「好きやから、大切やから守らなあかんって思っとったのに、俺は守ることもできひんかった」
望……
小瀧「ほんまにごめん…」
あなた「望、」
小瀧「ん、?」
あなた「なんで泣いてるん…」
小瀧「あなたやって泣いとるのに?」
あなた「、、」
小瀧「ま、お互い様やな」
あなた「うん、!」
望やったんか
思い出させてくれてありがと
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。