第5話

ラジオ収録
741
2020/04/27 08:32


あなたside

今日はラジオのお仕事やねん
ラジオはすっごい好き。
あのブース内には絶対に批判的な人はおらんくて
大好きなメンバーと一緒に居れるから。




〜本番〜


中間「今週は、司会:中間淳太と」

桐山「桐山照史と」

濱田「濱田崇裕と」

あなた「佐久間あなたがお送り致します」


今日の座り位置は淳太くんの隣り!
向かいには崇裕がいて、照史とニコニコ並んでる。


桐山「今日は、年上組でお送りですね!」
濱田「たのしみ^^」

中間「では、おたよりです。
   RN:◯◯さん、東京都の方ですね。
   あなた担当です。
   きになっていたのですが、
   らいねんはどういう年にしたいですか?
   いちねん早いですよね、
   しがつのデビューからあっという間でしたか?
   ねんねんおっと言う間に過ぎていきますよね。
   今年中にしておきたいことなど
   あったら教えてください。だそうです。」

桐山「まだ夏やで?この人もう年末みたいな話してるやん!
   気早いわ」

濱田「ほんまやな」

あなた「でもあっという間やんな」

中間「一瞬よ。一瞬で過ぎ去るで!」

あなた「過ぎ去るってなんやねん」ハハハ


淳太くんにツッコもうとして淳太くんの方見たら、
さっきのお便りの文面がなぜか気になって見ててん。
不必要なひらがな表記やなって思った時には、
もう遅くて…

はあ…
私が担当って書いてあるけど嘘やん。
縦書きで、嫌いしねって言ってるやん…

スタッフさんに悪意は絶対になくて、
季節外れのお便りにツッコミ入れさせようとか
思ったんかな?
多分それくらいの些細な理由やと思うねん。

こんな手の込んだお便り送ってくるくらい
私はこの人に認められてないんだな…って

あ、だめや、涙こぼれるわ…


中間「おい、あなた聞いてんのか?」

桐山「なに泣いてんねん!あなた」

濱田「どないした?」


あ、ごめん
まだ余計なことしてしもうた…


あなた「ちゃうねん。
   デビューからを思い出したら泣いてもうた!ははは」

中間「…なんやねんそれ!泣き虫すぎるやろ!」

あなた「ごめんってー!」

桐山「どんなこと思い出したん?」

あなた「生放送で嬉しすぎて泣いたなーとか」

濱田「泣いたこと思い出して、いまも泣いたん?」

中間「なんやねんそれ!ハハハ」


中間「今週はここまで!では来週!」



〜ラジオ収録 終了〜



中間side


ラジオの収録が終わって、
トイレに向かってるあなたに声かけた


中間「あなた!なんでさっきは泣いてん?」

あなた「ん?思い出したからやで?デビュー当時のこと。」

中間「ちゃうやろ。本当は」

あなた「ちがわんよ。ほんとにおもいだしただけ。」


なんでそんな泣きそうな顔してる笑顔で言うねん。


中間「ほんならええわ。ごめんな」

あなた「ほーい」



あなたside


焦った。
淳太くんってこんなにも敏感にわかる人やったけ。
とりあえず、今のうちに泣こう…
泣いて、翌週分のラジオ収録せな。

やっぱりダイレクトにああいうの見ちゃうと凹むよね。

難しいよ。しんどいよ。



中間side


アイツ絶対に隠してたな。
一応、同期組には言っとくか…


中間「なあ、濱ちゃん、あきと〜」

濱田「なんや〜」

中間「さっきの収録でさ、あなたがさ、泣いたやん」

桐山「おん」

中間「あれさあ…」

濱田「あれお便りやで。」

中間「え?」

桐山「は?」

中間「どういうことなん?」

濱田「淳太が読んだお便りあるやん。季節外れの」

中間「おん。」

濱田「あれ見た後からおかしかってん。
   だからさ、さっき見たんやけどさ、」


濱ちゃんがさっきのお便り持って広げて
あきとと2人で覗きこんだ。


濱田「この子、あなたが担当って言ってるけど
   多分違って、本来は縦読みやねん。」


あなたきらいしね
ああ、だからひらがな表記やってんな。


桐山「よう気づいたな」

濱田「淳太の方見た後に変に机のほう見とったからな」

中間「気づかんかったわ…
   でもあなたなんもないで!
   ほんまにデビュー思い出しただけやからって」

濱田「あなたどこおる?」

中間「さっきトイレ入って行った」

濱田「ごめんけど、2本目さ、30分くらい押せへんかな?」

桐山「やっとく。」

濱田「ごめんな。ちょっと見てくるわ〜」


そう言って出て行く濱ちゃんを
俺は見てることしか出来ひんくて…
なんで濱ちゃんは気付けて、
俺は気付けへんかったんやろ。
真横におったのに。お便り読んだのに。
こんな最年長で、ごめん。


桐山「…淳太くん、自分のこと責めてるやろ。」

中間「え?」

桐山「なんで気づかんかったんやろーとかさ。
   思ってへん?」

中間「…」

桐山「俺も気づかんかったから、人のこと言えへんけど、
   あれは、気付けへんよ。
   気づいたんは、崇裕だからやで」

中間「でも、メンバーのことなのに…」

桐山「わかるけど。
   多分、普通に過ごしてたら気付けへんくて
   あなたに変化があったから崇裕も気づいてん。
   淳太くんがここでへこまんで。
   大黒柱として構えてて。」

中間「…おん…」


あきとにも見透かされるやん、おれ。
でも、いろんなこと汲み取ってくれてて
「どん!と構えとけ」か…
もうちょっとしっかりせないかんな。

みんな「最年長が淳太くんだから、まとめてる」って
思ってるけど、本当は、すっごい支えられてて
意外とすぐ下の濱田・桐山の同期コンビが
しっかりしてんねんな…

















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