第24話

ファンレター
617
2020/04/30 05:45





あなたside

マネージャーさんがファンレター配ってた
苦しくなって部屋を抜け出し
肺に煙を入れて…

なんやろな
体に良くないって分かってんねんけど
この苦いなんともいえん味が
自分の苦しみとか悲しみに似ているような気がして
煙を吐き出すのと一緒に
苦しみも悲しみも吐き出せるんじゃないのかなって
そう思ってしまって吸ってしまう…


気にしてくれた流星が来て
話して、味方でいてくれて
あんなに小さい頃からいた流星が
あっという間に私の身長を抜いて
考えまでも大人になってた。

子供のままなのは私かも知らん。


藤井「あなたちゃん行くで?」


年下の可愛い流星が
かっこいい大人で
打ち合わせに戻してくれた。




マネージャー「今日はここまで。」

みんな「お疲れ様でした、」



みんな各々帰り支度をする

今日も疲れたなって思うと

マネージャー「あなた。ファンレター」


なんてみんなとは比べものにならないくらい少ない
ファンレターを渡してきて
渋々受け取る。

でも、流星と話して
ちょっと読む気になって開いた

3通あった。

初めの2つはやっぱり批判やってなんかまた落ち込んだ。


藤井side


打ち合わせ終わりあなたがファンレター受け取ってた

いつもなら家に持って帰るのに読んどる
珍しいな

あなたちゃんはすぐ落ち込む
ファンレターなんて特に落ち込む原因で
絶対に家に持って帰って静かに泣いてるんだと思う


そんなん考えてたら最後のファンレターを読みながら
あなたは声を殺して泣き始めた。
小さいあなたちゃんがもっとちっちゃくて
いてもたってもいられなくて
駆け寄った


藤井「あなたちゃんツラいなら読むなって」


あなた「…ちがう」


藤井「じゃあどうしてん?」


あなた「街で会った子からやった」


そう言いながら
泣いてるあなたは抱きついてきて
子供のように泣き出した

どうしたん?ってみんなが集まってくる


あなた「街で会って話せて
どんだけ好きか伝えきれんかったからって
送ってくれたあー」


そういうこと

純粋なファンレターに
さらに泣いてんのか


神山「前言ってた子?」

濵田「あなたがボロボロのレッスン着着て会った子?会えて泣き出した子やろ?」


あなた「そう…」


あなたが濱ちゃんに手紙を押し付ける


濵田「?」


あなた「崇裕もよんで」


泣きじゃくるあなたは
今までに会えなかった感情でいっぱいいっぱいやった


濵田side


すごい泣いてるやん

で、読めって
酷いこと書いてるわけじゃないのになんでなんやろ?

濵田「じゃあ、借りるわ」


みんな一緒に覗き込んでくる


あなたちゃんへ

この間、街であって昔に書いたお守りみたいに扱ってボロボロのお手紙を渡した◯◯です。
あんなボロボロのお手紙でごめんなさい。

あの時あなたちゃんに会って手渡しできて
本当に嬉しかった。
あなたちゃんは昔から私の支えで
苦しい時も悲しい時も一方的にだけど
寄り添ってくれた存在です。

いじめられてこの世から居なくなろうなんて考えたこともある私が
ちゃんと生きてあなたちゃんに手渡しできたのは
あなたちゃんが居たからです。

たぶんあなたちゃんは
異質な存在としてバッシングとかあると思う。
だけどステージで見るあなたちゃんに
そんな悲しい感情なんてなくて
すごく凛とした強い女性に見えて
私もあなたちゃんみたいになれたらって
照らし合わせてたのかもしれません。

私があなたちゃんを見つけたのは5年前の松竹です。
濵田くんが好きで見に行った時
あなたちゃんはお客さんに足引っ掛けられて
こけてました。
濵田くんが助けに行ってて心配してんのに
あなたちゃんは何事もなく平然と
ステージに戻ってました。

そんな姿を見てかっこいいなって思ったのがきっかけです。

そのうちあなたちゃんばかり見るようになって
ますます好きになりました。

どんな事にも負けず
自分らしくかっこいいあなたちゃんで居てください。
あなたちゃんのかっこよさに支えられてきたから。

まだまだ伝えきれない大好きな気持ちがたくさんあるのでまた書きます。
だから、また読んで欲しいです。

ファーストコンサート、応募しました。
まだ当たるかわからないけど
会った時はアイドル全開なあなたちゃんを楽しみにしてます。

ps
濵田くんとデビューしてくれてありがとう。
私はあなたちゃんを支える濵田くんにも感謝してます。

あなたちゃんのことが大好きな◯◯より



神山「濱ちゃんまで泣いてるやん」

桐山「泣くなよ」

なんていってるあきとも泣いとって
みんなで泣いた笑

あなた「コンサートにこの子きたら絶対見つける」

なんて張り切り出した

ちょっと前までコンサートが
憂鬱になってたあなたなのにな。

重岡「よく考えたら濱ちゃんファン1人減ってるけどな笑」


なんでそんなこというねんこいつ!


濵田「この子は俺のことも好きで居てくれてるはずや!!!」


中間「良かったなあなた」


なんて頭なでてる淳太は
おとうさんみたいでほのぼのした時間が流れた




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