第53話

体調不良
754
2020/06/02 19:23





小瀧side


今日は雑誌のインタビュー
対談形式やから全員そろう

もう集合時間5分前なのにあなたがいない

そうなると濵ちゃんと親衛隊がソワソワしだす…
俺も心配はしてんねんけど…


重岡「あなたちゃんおそない?」

藤井「まだ5分あるで?」

神山「おかしい、いつもはもっと早いもん」

中間「濱ちゃん連絡きてる?」

濵田「まだきてへんで」

重岡「なんでやろ」


みんなが相談しとるとグループラインが鳴った




《グループライン》

あなた:ちょ、いけ?わー、うごけへゆ



桐山「怪文書きたで」

重岡「やばいって!!誘拐か?」

神山「落ち着きい!ちゃんと読んでや」  

中間「タイプミスやろ」


シゲがアホほど焦ってる横で
濱ちゃんはしれっと廊下に出て行く


重岡「あなたちゃんになにかあったらどうしよう」

藤井「大丈夫やって、濱ちゃんで電話してんやろ?」


ほんま流星はぼんやりしてるようで
ちゃんと見てたりする

濱ちゃんが戻ってきてシゲは一目散に
濱ちゃんに駆け寄り問い詰める


重岡「あなたちゃん連絡取れた?」

濵田「とれたで?落ち着きい。
   マネージャー向かわせたから」

重岡「なんで言ってた?大丈夫なん?」

濵田「とりあえず布団入ってるって
   多分疲れ溜まっててん」

中間「ツアーのリハとかたて続けとったからな」

濵田「病院行くやろうし今日は7人でやろや」

重岡「…おん」



重岡side


そこからのインタビューはちゃんとやったつもりやけど
気が気じゃなかった

昔のこと思い出した…
その時とは立場は逆やけど…

全員のインタビューから個別のインタビュー。
俺の勝手なわがままやけど、


重岡「俺1番に個別インタビューやって
   病院いってもええ?」

神山「…ええんやない?」

中間「ええよ、いってき」

重岡「…ありがとう」



神山side


シゲは個別のインタビューに走っていった

たぶんジュニアの頃のこと思い出しとんやろな


小瀧「シゲ、必死すぎん?そこまで過保護やったけ?」

神山「あー、あれは多分あなたちゃんやからやで?」

小瀧「どういうことなん?」

神山「シゲ、負けず嫌いやろ?熱あるの分かってて
   レッスン来た時あってん。すっごい昔な?
   来るのもギリギリやのに、来た瞬間倒れて
   介抱してくれたんがあなたちゃんやねん」

小瀧「そんなんあったんや」

藤井「熱出してんのにめっちゃ怒られててん。
   体調管理できひん奴が来て迷惑かけるなって。
   そう言いながら付きっきりで介抱しとったけどな。
   でも、シゲのこと心配してるから言ってるやつで
   みんなシゲのこと大事やから、自分勝手なことして
   心配させないで。とか言っとたな。」

中間「そんなんあったから、シゲからしたら
   あなたが体調不良て心配やねん。
   体調管理が大事って教えてくれた人やし
   助けてくれた人やし」

濵田「やから病院いかせたって?」
 
小瀧「シゲがあんな取り乱すって見たことなかったから
   意外やったわ…」


シゲは個別インタビュー終わって
急いで荷物まとめて出て行きようる


重岡「先でるわ!ごめんな!」


なんでちゃんと挨拶していくのは
律儀なシゲらしい



*病室


重岡side


点滴ぶら下げて寝とるあなたちゃんを見たら
急に安心した

生死に関わることとは思ってないけど
もしも何かがあったらって不安でしゃあなかった

とりあえず隣のイスに座って起きるの待っとこう

て、座りながらなぜかあなたちゃんの手を握ってまう
あの時、無茶してレッスンに行って、結局倒れてもうて
横になって介抱されてた情けない俺をこの手が
ずっと撫でてくれてたなあって懐かしかった。

大人になって、一緒にデビューして
まさか立場が逆転するなんて思わんかった。
そんくらいあなたちゃんは、しっかり者やし
プロとしての体調管理とか完璧やったもんな…


あなた「…大毅、来てくれたんや」


いつもより弱々しいあなたちゃんの姿に
急に悲しくなって泣いてまう…


あなた「なに泣いてんの?もう元気やで?」

重岡「…うそつき。…まだ元気ちゃうくせに」

あなた「…点滴打ったからだいじょーぶ。
   もうちょっとしたら、お家、帰るよ?」

重岡「…俺も行く。」

あなた「1人で帰れるよ?だいじょーぶやから」

重岡「絶対にだめ!家着いて布団入るまで見届ける」

あなた「…わかりました。連れて帰ってください。」


なんて言いながらあなたちゃんは
おかんみたいに微笑んで頭を撫でる

ああ、この優しい手やったな…


看護師「点滴外しますね、ゆっくりでいいですから
    落ち着いたら受付で精算しましょうね」

あなた「ありがとうございます」



あなたside


そこからの大毅は、まあ、過保護で
うまれて初めてくらいお姫様扱いやった笑


重岡「あなたちゃん、俺精算して来るから
   ゆっくり準備してて!ゆっくりでええからな!」


お姫様扱い通り越して介護じゃない?

でも、大毅に世話されるなんて
あの頃からは想像出来んかったやろな笑


重岡「あなたちゃん、精算終わったで。
   荷物貸して、立てる?歩ける?」

あなた「わたしおばあちゃんになった
   わけちゃうからな笑」

重岡「…こういう時くらい甘えたらええねん」


ほんとに大毅は恥ずかしがり屋で可愛い子やな


とりあえず、タクシーで家の近くまで…


重岡「あなたちゃん一人暮らしやんな?
   そういえば、家知らんわ」

あなた「…そうね、崇裕しか知らんのんやない?」

重岡「…そうなんや…」

あなた「…ここですよー」



重岡side

あなたちゃんの家は想像以上に質素で
家の中も一応2部屋あるけど本当に必要最低限な家で
なんか、人間味が無いというか、味気なかった


重岡「あなたちゃん、とりあえず着替えて
   すぐ寝て?」

あなた「ほんと心配性やなあ、大毅は」

重岡「うるさいわ!大人しく寝ときや!」

あなた「はいはい、寝ますよ」


そう言ってあなたちゃんは
1番奥の部屋の寝室に行った。

とりあえず飲み物くらいは近くに置いといてあげようと
キッチンを勝手に使わせてもろうたけど
冷蔵庫には何も無いし、冷凍庫にはアイスが2個。
必要最低限の調味料はあっても食材ぽいものがない。

本当にあなたちゃんは、
何を食べて生きてんやろうか?て不安になった


重岡「あなたちゃん、入るでー」


水を持って、声はかけたけど返事は無くて、入ってみたら
少し息荒めに寝ついてるあなたちゃんやった。

やっぱり、人前では心配させまいと無理してたんやな…

サイドテーブルに水を置いて、
あなたちゃんを見てると朝からの不安が少しは無くなって
安心してベッドの横でまたあなたちゃんの手を握る



濵田side


あなたにラインで、
「何か買って行くけど、要るもんある?」って送ったら、
「大毅が付きっきりで介抱してくれてるから、
大毅にお弁当とか買ってあげて🍙」って
自分よりシゲを優先するのがあなたらしいなて思いながら
料理もできひんし、コンビニでとりあえず多めに買って
合鍵使って家に入れば、
シゲがベッドの横でベッドに顔を伏せて寝とった。


シゲも一日不安やったんやろな。


濵田「…シゲ?その寝方、体疲れるで?
   起きて、晩ごはん食べようや」


って肩を揺すれば
すっごい驚いた顔してこっちを見とる

そうやろな、勝手に入ってんねんもん


濵田「…とりあえず、あなた起こさんように
   あっち行こうや」


寝室から連れ出して、居間?のちゃぶ台に
2人分の弁当出して、座るように促したら
思ったよりも素直に座りよった


重岡「濱ちゃん、一緒に住んでるわけちゃうよな?」

濵田「住んでへんで」

重岡「…合鍵ってこと?」

濵田「…そやね」

重岡「…あなたちゃんは俺らのこと信用してへんのかな?
   俺、初めて家知った」

濵田「…信用してないってことではないで?
   俺が来たのもあなたが一人暮らしして
   10年くらい経つかな?10回もないで?」

重岡「…そうなんや」

濵田「知られなくないとか、信用してないとかちゃうくて
   なんやろね、あなたのプロ意識なんやない?
   体調管理出来てたら、こんなこともないやろし、
   死ぬほど勉強したりとかしてるの見られるの
   恥ずかしいとかそんな理由やと思うで。
   聞いたことないけどな」

重岡「…その理由は濱ちゃんもわからんのや。
   ならええわ!あなたちゃんらしい気したわ」

濵田「ほんまプロ意識の塊やから、
   何考えてるかわからんわ」

重岡「あなたちゃんの家さ、人間味なくて
   入った瞬間ちょっと怖かってん、
   全然、人が住んでる感ないやんな」

濵田「本当そう思うやん、
   でもな、あなたが隠してるつもりのもん
   本棚の1番下の段、全部詰め尽くされててさ、
   この段、全部アルバムやで?見てみ?
   ぜーんぶ俺らとか関ジュとか、昔からの」



重岡side


勝手に見せる濱ちゃんはどうかと思うけど、
アルバムは全部俺らで、こまめに日付やら場所やら
全部に書き込んであった


本当にあなたちゃんは、俺らを大事に思ってくれてて
合鍵を渡してようが、渡してないだろうが関係なくて
俺らの大事なメンバーやなって、どうでも良くなった


濵田「シゲ、明日本当は早いやろ?ドラマやっけ?
   あとはあなたのこと見とくから
   ちゃんと寝てから仕事に望まんと
   あなたが怒るで?」

重岡「…そうやね、じゃあ帰るわ
   あなたちゃん起きたら連絡してな?」

濵田「当たり前やん、ちゃんと連絡するって。
   ちゃんと寝てからいくんやで?」

重岡「濱ちゃんには言われたないわ!」



濵田side


シゲの曇ってた顔はだいぶ晴れてて安心した 

弁当のゴミ片付けつつ買ったもん冷蔵庫に詰めてたら
あなたが起きてきた


あなた「崇裕やん」

濵田「おはよ、体調はどう?」

あなた「ちょっとした過労かな?点滴打った」

濵田「ツアーも始まるし今のうちに休みや?
   みんな心配しとったで?」

あなた「あ、大毅は?」

濵田「ちょっと前に帰らせたで?明日早いし」

あなた「良かった、意地でも帰らんかと思った笑」

濵田「シゲが1番あたふたしてたわ」

あなた「大毅はかわいいな、
   みんなも当然かわいいんやけどさ笑」

濵田「シゲはあなたが言った体調管理、
   すっごい守ってんやから、教えたあなたが
   倒れるんもうやめてな」

あなた「はいはい、かしこまりました」

濵田「なんが食べれる?もう寝る?」

あなた「おかゆたべる。あたためてー」

濵田「人使い荒いやっちゃなー」


あなたside

なんていいながら崇裕はおかゆ温めてくれる
本当にお人好しやんな


あなた「大毅な、病院でずっと手握っててくれてん
   子供になった気分やった笑」

濵田「俺来た時もベッドに顔を伏せて
   手握って寝てたで」

あなた「なにそれ、かわいい。」

濵田「かわいいってはしゃぐなや、
   人が心配してんやから」

あなた「そうやけど、やっぱりかわいい」

濵田「そういうと思って写真撮っときました!」

あなた「さっすが崇裕!あとでちょうだいな!」

濵田「もちろん」


濵田side

あなたは温めたおかゆを平らげながら
俺が撮ったシゲを見て、かわいいかわいい言っとる

なんやかんや俺がアルバムを増やす原因かも知らん笑

そのあとは満腹なのか疲れなのか、またすぐに寝始めた


シゲへ
あなたはあのあと起きておかゆたべて、また寝始めたで
だからもう大丈夫やと思う
新しい現場やろ?こっちの心配せずに頑張ってきいや
応援してるで     濵田

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