神山side
なんやろな、
いつもとちょっと雰囲気違うんよな
ちょっと深刻?って感じかな…
辞める、とか言わんよなあなたちゃん
だとしたら濱ちゃんに先言うか。
俺である必要てなんなんやろ
年上組には言いたくないってことなんかな?
やばいやばい
なんか考えすぎて良くない報告に頭働かせてまう。
なんなんやろ
あなた「神ちゃん、ここのお店にするね。個室だから」
個室だから?
え、どんだけ人に聞かれたくない話なん?
それ1番に聞くの俺なん?
受け止められるような話なんか?
神山「ここにしよ、話ってなんなん?
なかなか言われへん話なん?」
あなた「…うん…」
え、結構ガチめな相談事やん。
あなたちゃん、相手合ってる?
おれでええん?
濱ちゃんじゃなくて?
すっごい怖い気持ちになってきた…
個室に通され、ドリンクが届いた…
このドリンク届くまであなたちゃん無言やねん
5分くらいだったと思うけど
1時間くらい待った気がした…
やっとあなたちゃんが話してくれた…
あなた「…あのさ、ファーストコンサートおめでとう」
神山「…あなたちゃんも出るんやで?他人行儀すぎやん」
え、ほんま
辞めるとか言わんよな…
あなた「そうだった、私も出るやつ、ははは」
神山「何いうてんのあなたちゃん、どしたん?」
あなた「私さ、いい加減やめようと思って」
神山「え?何いうてんの?」
え、まじやん、
ほんと何言うてんのあなたちゃん。
あなたちゃんがおらんとあかんよ
え、泣くって…泣いちゃうって俺。
あなた「え、神ちゃんなんで泣くん?」
神山「あなたちゃんが辞めるっていうから…
だめや、やっとデビューしたのにそんなん。
アンチなんか知らんわ、戦えや。見損なったわ。
今までの大好きなあなたちゃんじゃない…」
ああ、俺カッコわるッ
泣いてもうたやん。
ジュニアの入った当初から懐いてた
大好きなお姉ちゃんのあなたちゃんが
そんなんで辞めるとかショックや…
あなた「神ちゃん、勘違いしてへん?」
神山「?」
あなた「私、死ぬまでこの仕事するし、
コンサートも出るし、…どしたん神ちゃん」
神山「だって、いい加減辞める言うたやん」
あなた「あー、ごめん。私が話、省略しすぎたな。
神ちゃんは知ってるやん、
私がアンチ気にして
パンツスタイルの衣装許してないって」
神山「そやね、知っとる」
あなた「それ」
神山「?」
あなた「わたし、戦うことにしてん。アンチにも自分にも。
この間な、オフの日に町でファンの子に会ってん。
私のこと担当なんやって、その子。
でな、その子が、あなたちゃんは
なんで女の子なのに女の子らしい格好しないの?って
言われてさ」
神山「おん…」
あなた「身長もあって
みんなみたいなかっこいい衣装も似合うけど、
女の子っていう強みもあるはずです!って」
神山「ええこと言ってくれる子やね」
あなた「それ言われてさ、
ジュニアの時はバックだからそれでよかったと思うねん。
だけどさ、今は
ジャニーズWESTの佐久間あなたなワケやん。
確かに女だってこと全面に押しても
ええんやないかな?って思ってさ」
あなたちゃんは何を言いたくて俺に相談してくれてんやろ…?
あなた「神ちゃん聞いてる?」
神山「聞いてるよ」
あなた「だからさ、神ちゃん、
衣装デザインやってくれへん?」
神山「へ?」
あなた「だから、私の記念すべき
初のスカートスタイルの衣装のデザインを
神ちゃんにやって欲しいの!!!!
服好きやん、自分。詳しいし」
安心した…そういうことか…
神山「それでおれやったん?」
あなた「そやで、衣装は神ちゃんやろ」
神山「辞めるかと思って心配したやんけ!むかつく」
あなた「辞めるわけないやん、
神山ちゃんたち置いてどこにもいかんわ」
なんであなたちゃんはそんなかっこええこと
さらって言ってまうんやろ。
あなたちゃんはやっぱり
何歳になっても、お互いが大人になっても
ジュニアの時みたいに
ずっとずっとかっこいい先輩やなって。
負けてられへんけど、
敵わんな、この姉さんには。
神山「どういうのがいいん?
今ある衣装、リメイクみたいなことやんな」
あなた「そう!かっこいい曲の衣装は、
パンツスタイルのままでええと思うねん。
だけど、スカートでもいい曲は
なるべく全部スカートにしたいねん」
神山「分かった。案出しとく」
あなたちゃんが急に強くなった気がした。
アンチだけじゃないって身をもって知れたからなのかな?
ずっと言ってんのにな笑
でも、多分このあなたの選択は
ジャニーズWESTにもいい影響を与えると思う。
曲の幅も広がりそうやし、演出もだし、相乗効果。
こうやってあなたちゃんは昔から
いい意味で僕たちを振り回すねんな。
でもどうしても憎めへん
なんでやろな、濱ちゃんが一番理由知ってそうやな
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。