第3話

異世界転生後の初仕事
224
2019/06/01 06:04
イリノ
イリノ
リイナ様!
こっちです!あの煙突が見えているのが私の家です!
リイナ
リイナ
分かったよ。そういえば、イリノちゃんのお祖父ちゃんはどんな病気なの?
そう……昨日イリノちゃんがうちに来てからこの地方の病気について調べていたのだけれど、なんとこの地方の有名な病だけで十種類もあって特定が難しかったのだ。


そして、結局分からなかった。
イリノ
イリノ
う~んと、病気の名前は分からないけど、どんな病気かはわかるよ。
リイナ
リイナ
それだけでいいから教えて?
イリノ
イリノ
うん!
なんか、体から熱を奪っていく病気なんだって。
リイナ
リイナ
『体から熱を奪っていく病気』?
確か、そんな病気が本にかいてあったような。
私は、すぐさま持ってきていた本を開いてその病気を探した。
リイナ
リイナ
え~と……
あ!あった!イリノちゃん!
もしかしてお祖父さんの病気ってこれ?
私はそう言って、イリノちゃんに本のあるページを見せた。
そのページには、ある病気が書かれていた。
『その病気』とは、熱水病(ネッスイビョウ)といい、この世界は魔法で溢れているため、水の魔法を主で使う人がかかりやすい病気だった。
そして、この病気の恐ろしいところは……体から水分と熱を奪って、かかった人を死に至らすことだった。
イリノ
イリノ
うん!お医者さんもそんな名前言ってたよ!
リイナ
リイナ
あれ?聞いた私もだけど、さっきイリノちゃん、
『病気の名前は分からないけど』って言ってなかった?
イリノ
イリノ
うん!
でも、今思い出したよ!
リイナ
リイナ
そ、そっか……
無邪気な子だな……

よし!この子の笑顔のためにも、頑張らなきゃな!
ーーーイリノちゃんの家ーーー
イリノ
イリノ
ここが家だよ!
リイナ様!入って入って!
リイナ
リイナ
う、うん
お邪魔しまーす……
イリノちゃんの家は、風が吹き抜ける大きな窓があるここら辺の家と比べれば間違いなく豪邸の部類にはいる。
リイナ
リイナ
す、すごく大きな家だね……
イリノ
イリノ
そうですか?
リイナ様のおうちの方が大きいと思いますよ?
うん……
この子……本当にいい子だな……
私は、そんな純粋な頃なんて忘れたよ。
イリノ
イリノ
お祖父ちゃんのお部屋はこっちです!
来てください!
リイナ
リイナ
う、うん
イリノちゃんのお祖父さんのは部屋に置いてある大きなベッドの上で眠っていた。
そして、お祖父さんの周りにイリノちゃんのご両親と兄妹と思われる子達がいた。
イリノちゃんのお母さん
イリノちゃんのお母さん
お帰り、イリノ
あら?そちらの方は?
イリノちゃんのお母さんがこちらに気づいて、声をかけてきた。
リイナ
リイナ
あ……初めまして
私は、イリノちゃんに頼まれてお祖父さんの病気を治すために来ました。
イリノちゃんのお母さん
イリノちゃんのお母さん
そうですか……
ですが、本当に義父を治せるのですか?
イリノちゃんのお母さんの意見はもっともだ。
それに、イリノちゃんのお母さんだけでなくお父さんさんや他のご家族も私を不審がる目を向けていた。
リイナ
リイナ
はい
治せます。証拠にこれを見てください。
私は、イリノちゃんの家族に向かって私のステータスを見せた。
イリノちゃんのお母さん
イリノちゃんのお母さん
これは……
イリノちゃんのお父さん
イリノちゃんのお父さん
本当にこれが貴女のステータスなのですか?
イリノちゃんのご両親は、私のステータスを見て驚愕の顔をしていた。
リイナ
リイナ
はい。
これは本当に私のステータスです。
薬を作れたり、怪我や病気を治す治癒の魔法が使えます。
イリノちゃんのお母さん
イリノちゃんのお母さん
申し訳ありませんでした。
突然、イリノちゃんのお母さんが頭を下げてきた。
リイナ
リイナ
え……?
イリノちゃんのお母さん
イリノちゃんのお母さん
私共は、貴女のようなお方に失礼なことを申してしまいました。
イリノちゃんのお父さん
イリノちゃんのお父さん
私からも謝ります。
すみませんでした。
どうか、父を治していただけませんか?
リイナ
リイナ
はい。
初めからそのつもりで、ここに来ていますから……
お任せください。

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