そう……昨日イリノちゃんがうちに来てからこの地方の病気について調べていたのだけれど、なんとこの地方の有名な病だけで十種類もあって特定が難しかったのだ。
そして、結局分からなかった。
私は、すぐさま持ってきていた本を開いてその病気を探した。
私はそう言って、イリノちゃんに本のあるページを見せた。
そのページには、ある病気が書かれていた。
『その病気』とは、熱水病(ネッスイビョウ)といい、この世界は魔法で溢れているため、水の魔法を主で使う人がかかりやすい病気だった。
そして、この病気の恐ろしいところは……体から水分と熱を奪って、かかった人を死に至らすことだった。
無邪気な子だな……
よし!この子の笑顔のためにも、頑張らなきゃな!
ーーーイリノちゃんの家ーーー
イリノちゃんの家は、風が吹き抜ける大きな窓があるここら辺の家と比べれば間違いなく豪邸の部類にはいる。
うん……
この子……本当にいい子だな……
私は、そんな純粋な頃なんて忘れたよ。
イリノちゃんのお祖父さんのは部屋に置いてある大きなベッドの上で眠っていた。
そして、お祖父さんの周りにイリノちゃんのご両親と兄妹と思われる子達がいた。
イリノちゃんのお母さんがこちらに気づいて、声をかけてきた。
イリノちゃんのお母さんの意見はもっともだ。
それに、イリノちゃんのお母さんだけでなくお父さんさんや他のご家族も私を不審がる目を向けていた。
私は、イリノちゃんの家族に向かって私のステータスを見せた。
イリノちゃんのご両親は、私のステータスを見て驚愕の顔をしていた。
突然、イリノちゃんのお母さんが頭を下げてきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!