気のせいかもしれないけど
後ろからずっと足音が聞こえてくる。
夜一人で歩くとか初めてだし
めっちゃこわい
振り返って確認したいけどそんな勇気ないし。
ちょっとスピードを早めると、
足音も早くなって。
ふいに、大地先輩の声が聞きたいと思い、
もう耐えきれなくて大地先輩のスマホに電話をかけた。
ーぷるるるるる
大「あなた?こんな時間にどうした?」
2コールほどで大地先輩は電話に出てくれて。
「大地せんぱっ、、今塾の帰りでっ、」
大地先輩の声に安心して、泣きそうになる
大「…1人?」
「1人ですっ…こわい、」
そう言うと、大地先輩は
「は?1人?」
と小さく呟いて、
大「いまどこなの?」
と大地先輩らしくない口調で聞いてきた。
「えっと…」
公園の近くです…と小さな声で言うと
大「今から行くから歩いてろ」
と優しく言ってくれて。
大地先輩の声聞けて安心した。
スマホのロック画面を見ると、
大地先輩との写真が目に入って。
…会いたいなあ。
心からそう思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。