第2話

First Day
724
2019/07/29 23:20
こんな噂がありました。





『ねぇ、知ってる?神社の噂。』
『え?何それ?』
『知らないの?
何でも願いを叶えてくれる神社の事。』
『知らない。』
『じゃあ、教えてあげる。
神社の噂っていうのはね…………』
真夜中の午前零時に森の奥へ行くと、
小さな神社が現れるんだって。
その神社の中にある大きな鈴を鳴らすと、
上から声がする。
その声に対して願いを言うと、願いが叶うらしいよ……ーーーー
あなた
あなた
…………森の奥……本当にあった……
目の前には小さな神社。
まさか、本当にあるなんて……
でも、これで願いが叶う…。
あなた
あなた
…………
恐る恐る神社へと足を踏み入れる。
あなた
あなた
!!大きな鈴……
ー大きな鈴を鳴らすと上から声が……ー
あなた
あなた
……
小学生の頃聞いた話を思い出す。
あなた
あなた
この鈴を鳴らせばいいのか……
シャラシャラと鈴を鳴らす。

すると、
神社へようこそ!
あなた
あなた
!?
上から声がした。
慌てて声がした方を見ても、誰もいない。
あなた
あなた
だ、誰?
僕?僕はこの神社の主だよ!
あなた
あなた
神社の主……貴方が願いを叶えてくれるの?
神社の主。
そう!僕達がね!
あなた
あなた
僕…『達』?
神社の主。二人目。
そう。コイツと俺で願いを叶える。
あなた
あなた
!!
違う声……
先程までの神社の主と名乗る声とは違う、低い声。
神社の主。
それで?君の願いは?
あなた
あなた
え……?
神社の主。二人目。
願いがあるからここに来たんだろ?
あなた
あなた
……私は……『愛』が欲しい。
神社の主。
アイ?
あなた
あなた
そう。
愛されたい。甘すぎて、痛くなるくらいに。
神社の主。
アイが欲しい……それが君の願いでいい?
あなた
あなた
うん。
神社の主。二人目。
それじゃ、後はお前に任せた。
神社の主。
は~い……
あなた
あなた
二人で叶えてくれるんじゃないの?
神社の主。二人目。
違う。
俺達は叶えられる願いがそれぞれ違うから。
あなた
あなた
叶えられる願いが違う…?
神社の主。二人目。
そう。
俺は金関係、魔法関係、心関係の願い。
神社の主。
そして、僕は人間関係、恋愛関係の願い!!
今回は、『愛されたい』だから僕の番!
あなた
あなた
………へー。
神社の主。
うん!
それじゃあ、今から願いを叶えます。
そう神社の主が言った途端に、
先程まで薄暗かった神社が白い光に包まれる。
神社の主。
今回の願いは『愛されたい』。
上手くいかなかった場合の代償は大きいけど……それでもやる?
あなた
あなた
上手くいかなかった場合の代償……?
神社の主。
……まさか、代償の事知らないの?
代償?
そんなの聞いたこともない。
あなた
あなた
知らない。
神社の主。
………僕達は願いを叶えるといっても、
その願いを叶える過程を作るに過ぎないんだ。
あなた
あなた
過程……?
神社の主。
そう。例えば、『大金持ちになりたい』と言われたら僕達はその人を社長にするだけ。
そこからその人が会社を成功させれば大金持ちになれるけど……
あなた
あなた
………けど?
神社の主。
その会社が失敗して倒産したら大金持ちにはなれない。
上手くいかなかった代償としてその人は多くの借金を背負うことになる。
あなた
あなた
叶うかどうかは自分次第ってわけか。
神社の主。
その通り!
君の願いは『愛されたい』だから
過程を作るのが難しいんだけど……
神社の主。
どうしようかな……
神社の主。二人目。
この間来た奴ら使えば?
神社の主。
あぁ!それいいですね!
あなた
あなた
………?
神社の主。
決めたよ。
君の願いの叶え方。
あなた
あなた
!!
神社の主。
少し面白いやり方になるけど……
それでもいい?
あなた
あなた
願いが叶うなら、何でも良い。
神社の主。
そっか!
じゃあ〇〇〇さん、説明お願いします!
もう一人の主を呼んだようだが何故か名前は聞こえなかった。
神社の主。二人目。
え~……俺~?
神社の主。
そうですよ!叶えるのは僕なんですから、説明くらいしてください!
神社の主。二人目。
………分かった。
神社の主。二人目。
じゃあ、一回しか言わないからよく聞いて。
あなた
あなた
はい。
神社の主。二人目。
お前の願いを叶えるためにはまず、異性が必要だ。
神社の主。二人目。
だから、この間ここに来た6人の少年をあげる。
あなた
あなた
6人の少年……?
神社の主。二人目。
そう。
『悲しみを忘れたい』と願ってきた少年達。
あなた
あなた
その少年達でどうやって願いを叶えるのよ。
神社の主。二人目。
…………お前とその6人の少年は今から親友になる。
あなた
あなた
は?
神社の主。二人目。
お前の周りの人と少年達の脳を操作して、昔から親友だったという事にする。
あなた
あなた
それに何の意味があるの?
神社の主。二人目。
お前と少年達を一番近い存在にするために必要な事だ。
神社の主。二人目。
そして、ここからが面白い。
神社の主。二人目。
お前の願いを叶えるには、この6人の少年達に告白されればいい。
あなた
あなた
告白……?
神社の主。二人目。
そう。
お前が6人の少年全員に告白されれば、
お前は永遠に6人から愛されるだろう。
神社の主。二人目。
だが、告白されなかった場合は………
お前は誰からも一生愛されない身体になる。
あなた
あなた
なるほど。
神社の主。二人目。
そして、一番やってはいけないこと。
それは……
神社の主。二人目。
お前が6人の少年に恋する事だ。
神社の主。二人目。
お前は、愛されたいと願った。
だから、お前が愛す側になってはいけないんだ。
神社の主。二人目。
間違ってもお前の方から恋をしてはいけない。
あなた
あなた
大丈夫。私から恋をするなんて、
あり得ないから。
神社の主。二人目。
そっか。
ちなみに、期限は30日な。
んじゃ、説明はしたから。
神社の主。
僕の番ですね。
あなた
あなた
………!?
目の前には先程から聞こえていた声の主と思われる
白い髪に赤い目の男性が立っていた。
神社の主。
それじゃあ、いくよ?
そう言うと、
目の前にいる男性に翼が生えた。

………天使みたい。
神社の主。
~~………貴方に愛を。
なにやらブツブツと呪文を唱えた後に、
私の方を向いて、『貴方に愛を。』と言ってきた。

すると目の前は光に包まれ、
私の意識は途切れた。








次の日。
朝起きるとベッドの上だった。
支度をし、学校へ行く。
あなた
あなた
昨日の………夢?
そんな事を考えていたら、あっという間に学校に着いてしまった。
教室の扉を開ける。
すると、
おはよう!
昨日までは学校にいなかったはずの、
知らない6人の少年が話しかけてきた。
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