第13話

カラダ探し

947

2019/07/21 07:54




私は昨日、また死んだ。










人生で2度も死ぬなんてそう経験できることじゃない

あなた

11月9日…また「昨日」が始まるのか…















少ししたとこで紫耀と合流した。























玄関には海人がいた。

髙橋

あなた、紫耀ちょっといい？

あなた

どうしたの？私達じんに用があるんだけど…

髙橋

ふたりも？昨日じんに赤い人を押し付けられたの？

平野

海人も？

髙橋

「昨日」の最初の校内放送あったじゃん？あの時じんは階段の近くで赤い人と遭遇したと思うんだ。俺は三階にいたからじんの声が聞こえて、じんが三階に来たから俺も逃げたの。反対側の階段から二階におりて、生産棟の方に…。それで、じんに襟を掴まれて倒されたんだよ

平野

海人もか…俺も同じような感じで踊り場で…










私はもう怒りを抑えることができなかった













教室へ入るとじんは何事もなかったかのように廉たちと話をしていた












私の後に続いて入った海人がまっすぐじんに歩み寄り、その後ろの襟を掴んで思い切り後ろに引いて床に倒した












きっと「昨日」じんに同じ事をされたのだろう。

神宮寺

いってぇ…なにすんだよ！

永瀬

海人、どしたん？じんにそんなことするなんて





廉が慌てて喧嘩を止めようとするが優太が廉の腕を掴んで止める

永瀬

優太、なんで止めるん？

岩橋

どうしてこんなことしてるか理由が知りたいんじゃない？

岸

そう。その通り！

髙橋

じん…俺にだけじゃなくて紫耀にも赤い人を押し付けたんでしょ？

岸

じん、そりゃどういうことだよ

神宮寺

誰かが死ぬんだ。俺の代わりに海人と紫耀が死んだ。ただそれだけの話じゃん。それに俺も死んだ。いいだろそれで。

永瀬

…なんやそれ。俺が二階に行ってたらじんに殺されてたって事？

神宮寺

俺が殺したわけじゃないだろ。殺したのは赤い人だ


目の前にしゃがんでいた優太がじんの頬を叩く

岸

もう一回言ってみろ。それが本心か？

神宮寺

だってそうだろ?!この中だと俺が一番頭が良い！だったら俺が生き残った方がカラダが隠してある場所にたどり着く可能性が高くなるだろ！お前らに隠し場所の特定ができるか？推測ができるのかよ！







私達をそんな風に思ってたの？

岸

そうか。じゃあ俺たちが赤い人を引きつけてる間にカラダを全部探してくれるってことかよ？

神宮寺

あぁ、俺の方が見つけることができるね。毎回テストで赤点取ってるお前なんかは１つも見つけられないんだよ！

岩橋

…

永瀬

じん、なんか勘違いしとらん？昨日優太は「右腕」を見つけたんやで？

岸

悪かったな、赤点ばかりの俺が校長室で見つけちゃって。

あなた

優太、「右腕」を見つけって本当なの？

岸

嘘じゃないよ？校長室の机の中にあったんだよ。でも、それをどうすればいいかわかんなくてさ

永瀬

優太が「誰かいるかー？」って叫んでるのが聞こえたから行ったら腕持ってたんやもん、きもかったわw

岸

ひでぇよw

あなた

その右腕はどうしたの？

岸

玄関前のホールに自販機があるじゃん？その前くらいに棺桶（かんおけ）があったんだよ

永瀬

それを見たら遥のカラダを置けるようになってたんや。そこに置いた。
















カラダを置ける棺桶＿＿。

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第14話カラダ探し

𝓡.🥀 低浮上

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編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。