第18話

カラダ探し
945
2019/07/25 07:14




もう何日目の「昨日」だろう。










学校に行く事が日に日に嫌になっていく。











あなた

はあ。気が重いなぁ…。身体も痛いし







昨夜の死ぬ間際の痛みは酷かった。
















そんなことをいろいろ考えながら私はパジャマに着替えた




































































永瀬
永瀬
あなた、おはよ
あなた

あ、廉おはよ…。昨日はごめんね

永瀬
永瀬
何言ってんねや。あなたがカラダをみっけたからあと6つやん。追いかけられて死ぬだけより全然マシや
あなた

あれね…私が見つけたんじゃないの。あの4人が見つけて、でも運ぶまでに死んじゃって…。廊下にあったのを私が運んだだけ、、

永瀬
永瀬
そーなんや。でも結局はあなたがおらんと運ぶことできなかったやろ?「赤い人」を引きつけた俺とのコンビプレーやな笑







こんな感じで廉と話をしながら学校に行くと










通学路の先の方で紫耀が壁にもたれて、立っていた。










平野
平野
あ、あなた、廉、おはよ
あなた

おはよう

永瀬
永瀬
おはよ
あなた

紫耀、大変だったね…
「赤い人」がそっちに行ったんでしょ?

平野
平野
うん…
でも神宮寺もがんばってたし「赤い人」にずっと追いかけられてたんだから。少しかわいそうだなって思った…。神宮寺の方が大変だったと思う
永瀬
永瀬
紫耀、お前甘いな!生産棟で誰かが振り返ったんやろ?
平野
平野
海人が神宮寺を追いかけてた「赤い人」を見ちゃったらしくてさ。理科室で見つけたのも海人だし。でも多分うれしくて俺たちに見せるために振り返ったんだと思う
永瀬
永瀬
その時にぐうじを追いかけてた「赤い人」が理科室に行ったんよね?ぐうじはそのあと一階に降りてきて紫耀たちのこと笑ったんやで?そんなやつのことをかわいそうとか思うん?





廉だって笑ってたじゃん…










平野
平野
神宮寺笑ったんだ?…なんだ。かわいそうとか思って損した
永瀬
永瀬
まぁ、安心しいや。あのあとあなたが理科室行ってカラダを棺桶まで運んだんやから
平野
平野
そう…だったんだ。ありがとな、あなた
あなた

私は…紫耀が運ぼうとしてたカラダを代わりに運んだだけだから…見つけてくれた4人のおかげだよ

永瀬
永瀬
でもさ、バカやんな。海人が振り返ったんやろ?それで死んだんやから優太も怒ってるやろ。ぐうじも海人も優太も玄樹も。みんな喧嘩になるやろ…
























学校に着き、教室に入るとはやくも海人と優太が喧嘩をしていた
















岸
海人…なんで振り返ったんだよ!
俺らまで死んだだろ!
髙橋
髙橋
死んだのは俺のせいじゃないでしょ?俺が殺された時に逃げればよかったじゃん!後でカラダを取りに行けば死ななかったかもしれないじゃん!俺のせいにしないでよッ…!あの作戦を立てたのは岸くんじゃん!
岸
海人が「赤い人」を見なければ死ぬことなかったんだよ!
あなた

ねぇ廉、止めなくていいの?

永瀬
永瀬
いいんやない?好きにさせとけば






本当にみんなが分裂している













永瀬
永瀬
あ、せや。ぐうじが笑ってたで。生産棟に向かった4人が死んだかもってあなたと話してたら
岸
じん。俺が死んで満足か…?








なんでみんな喧嘩するの…?











神宮寺
神宮寺
笑って悪いか…?岸くんが言ってたから俺は「赤い人」から逃げてたんだよ!なのに海人のミスで「赤い人」は理科室に現れたんでしょ?俺は約束を果たしたんだ。何も言われる筋合いはない。
岸
死ぬまで引き付けろっていったじゃん!それに、じんが生産棟と工業棟の二階を回っていれば海人だって「赤い人」を見なかったかもしれないだろ!
神宮寺
神宮寺
だったらそう指示してよ!どこへ逃げようか俺の勝手じゃん!







もう喧嘩の理由なんてどうでも良いといった感じだ










永瀬
永瀬
あなたも紫耀も玄樹も。今日はどうする?もうすぐ遥が来る時間やけど
永瀬
永瀬
あいつら何もせえへんし、俺らだけでやる?







私達だけでやる?









永瀬
永瀬
遥を殺そうや。「昨日」やってぐうじがほんまにやったか怪しいやん?
岩橋
岩橋
む、無理じゃない?じんがやってもダメだったんでしょ?
永瀬
永瀬
だからほんまにやったかわからないやん







玄樹の返事にそう答えた廉は本当にやるつもりなのか…





















永瀬
永瀬
遥、話があるんやけど






遥は無言で廉の方を向く。











永瀬
永瀬
返事くらいしたら?まぁええわ。ついてこい
平野
平野
なぁ廉。どこ行くの?
永瀬
永瀬
黙ってついてくればええんや






そういっている間に私達は屋上へ着いた













永瀬
永瀬
遥!お前のせいで俺らは毎日大変なんや!
ええ加減にせぇ!







そしてまた、遥も何も言わない。











永瀬
永瀬
お前、なんか言えや!「カラダ探して」しか言えないん!?






そして、胸ぐらを掴み柵の方へと遥を押した












永瀬
永瀬
これでも何も言わんの?!お前、俺をナメとるやろ!









私の胸くらいの高さのステンレス製の柵。











そこからパキンッという音がした。












遥の身体が通るくらいの幅の柵が切断されて倒れたのだ。











永瀬
永瀬
は?!なに!なんなん?!なんで柵が壊れるん!?
平野
平野
は、遥は…?






私が屋上から覗き込むと…





















ここからずっと下、アスファルトの上でこちらを見つめる遥の姿があった










口から血を流し遥の身体から流れる血がアスファルトを赤く染めていく







































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