第22話
カラダ探し
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校内放送が流れた。
でも、西棟三階ならここに来る可能性も低いはず…
それに少し安心して俺達はあなたを慰めた
その確証はないけど違うとも言い切れない__
涙を拭いながら俺達にそういうあなただったが、その手はまだ小刻みに震えていた
あなたは大丈夫と言っているけど…とても大丈夫そうには見えない
俺は優しくあなたの頭を抱きしめて頬を寄せる
大切な友達…いや、大切な人だから
そう言い、笑顔を向ける廉が部屋の中を物色し始めた。
廉はそう言うけれど4人で動かなきゃまたいつ海人が襲ってくるかわからない。
いや、海人だけじゃない。あれほど言い合った神宮寺の方が怖い。
あなたの肩に手を回してそっと立たせる。
そして、廉達と一緒に教官室を出た時だった。
再び校内放送が流れた。
俺たちはどうすればいいのか。
チラリと目をやった体育館の入り口
俺達が開けたままの状態で「赤い人」が見ればここにいることがわかってしまう
廉の言葉で扉に向かって走り出す。
そして扉の前に来た時に俺が見たものは…
廊下の向こうからこちらに向かって走ってくる人影。
「赤い人」に追われてる…?
廉の判断は早かった。
俺達はその重い扉を力一杯押して…それは閉められた。
そして…。
ドンッ!と向こう側で誰かが扉にぶつかった音が聞こえた。
それは海人の声だった。
あなたがそういった直後だった。
ドサっという何かが落ちる音が聞こえたのは。
今のは海人の上半身が落ちた音?
そして、海人が死んだということは…
扉を挟んで「赤い人」がいるということ__。