第28話

カラダ探し
711
2019/11/08 07:57

















しかし、日付は11/9のままだった。










学校に行く準備をしながら私は、なぜいつもの「昨日」とは、携帯電話の置き方が違っているかを考えていた。










風が吹いて倒れたり、お母さんかお父さんが、机の上に置いたと言うのならば、「昨日」もそうなっていなければおかしいはず。










その小さな違和感を抱いたまま、私は家を出た。










あなた

行ってきまーす












そう言い、玄関のドアを開けると…。










優太が退屈そうに家の前に立っていたのだ。










あなた

あれ?……優太。おはよ、どうしたの?










私がたずねると少し照れたような表情を浮かべて、軽く手をあげる。










岸
いや、夜の「カラダ探し」でさ…あなたが名指しされてたから…ちょっと、ね。










優太は…私のことを心配して迎えにきてくれたんだ。










そう考えたら、少しうれしくなった。










あなた

ありがと、大丈夫だよ。って言っても死んじゃったけど、笑










自分でも何を言っているかわからなかったけど、優太に笑顔を向けてそう言った。










毎日「昨日」を繰り返していても、いつも違う「昨日」がある。










携帯電話の違和感はそういったものなのだろうか?










その答えを出せないまま、私は優太と一緒に学校へと向かった。











二人で並んでしばらく歩いていると…。










永瀬
永瀬
あなた、おは……ゲッ!!優太!?








「昨日」と同じ場所で、廉が私に声をかけてきた。










振り返ってその表情を見ると、あからさまに優太を敬遠している事がわかる。










あなた

廉、おはよ。









笑顔で廉に挨拶をするけどその廉は優太をジロジロと睨むように見ていた。










岸
え、なんだよ??俺があなたといちゃ悪いのかよ、、








照れたように廉から顔をそらす優太。










永瀬
永瀬
…まぁええわ。優太は俺たちに直接危害加えたわけやないし、








そう言いながら一緒に歩き出す廉。










良かった……思えば、廉と優太は意見が食い違っただけで、喧嘩をしたわけじゃない。










それに、昨夜の海人のこともある…。










私たち4人ではどうにもならない事だってあるのだから、廉と優太の関係が良くなるのは私たちにとってとてもいい事だ。










永瀬
永瀬
あ、せや。体育館でカラダの一部、見つけてん!右胸の部分
あなた

あったんだ!?よかった…やっぱり私がいなくなって正解だったね









私の死が無駄にならなかった。










永瀬
永瀬
は!?そんなこといわんでッ!
俺、あなたがおらんと生きてけん。
あなた

はい、?

岸
もー!ひとりにしないでって!笑








いや…。それよりも体育館の中にカラダがあってよかった。










永瀬
永瀬
あ、そのことなんやけどさ。
なんであなただけ名前で呼ばれたん?あんなんされたらあっという間に死んでまうやん。反則やろ、あれは。









そうだ、このことは皆に教えなければならない。
















放送室には誰かがいて…そこに入ろうとすれば「赤い人」を背後に呼び寄せられてしまうことを___。











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