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カラダ探し〜King&Prince編〜
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放送室のことを話して、ふたりの率直な感想がその言葉だった。
平野side
通学路を歩いているとあなたと岸くんと廉と合流した。
あなたは元気そうに見せてるけど岸くんから少し離れて歩いている。
やっぱり、海人に襲われたことがショックだったのだろう。
俺たちだってこの猫と同じなのだ。
次の瞬間には死んでいるかもしれないということに関しては。
前方から車が来た。
あの車にひかれてしまう。
死ぬところをみたくない…と思わず顔を逸らした時だった。
🐈「ミャー」
猫が廉の足元に寄ってきたのだ。
その光景に驚く俺達。
岸くんはこのことを知らないようだけど、猫が死ななかった。
それは、俺達が知っている「昨日」とは少し違った「昨日」になっているかもしれない、という事だった。
学校に着き、俺たちが教室に入っても妙な違和感は消えなかった。
いつも窓枠に腰かけて話している男子が別の場所にいたり、机の上に置かれていた、飲みかけのペットボトルが今日はなかったり。
たとえるなら、「間違い探し」のような感覚。
今日が「昨日」である事に変わりはないけれど、どこかが少しずつ変わっていたのだ。
廉とあなたも玄樹この微妙な違いに気づいている。
気づいていないのは…岸くんくらいだ。
岸くんが言った「海人」という言葉にビクッと反応するあなた。
もうあなたにとって海人は恐怖の対象でしかないかもしれない。
顔をしかめてポリポリと頭をかく廉。
その気持ちはわからなくもないけど…
あなたside
明らかに動揺する紫耀。
後半は聞こえなかったけど、紫耀が行ってくれるみたいだ。
これで少しみんなとの溝が埋まってくれれば…。
紫耀がじんを誘うとしぶしぶ…といった様子だけど、みんなの輪に加わった。
そして、まずは放送室の話から。
その時にはすでに死んでいたじんは、疑っているようだったけど、紫耀のいうことなら、と一応信じてくれた。
問題なのは…海人の事。
あの恐怖は私が一番わかってる…。
昨夜の私と海人の様子を興奮気味に話す廉と玄樹。
その話を聞きながら、優太とじんは考え込むように目を閉じている。
何とかなると思っていたのに、溝が埋まると思っていたのに。どうしてこうなるんだろう。
知らないうちに私の目から涙が流れていた__。