第23話
カラダ探し
ドンっ!ドンっ!
ドンっ!ドンっ!
「赤い人」が扉を開けようと激しく叩く。
不安そうに廉が呟くけどその音が止む事はなく、ますます激しくなる
そして、あなたがかけたはずの鍵が、カチャリと回る音が、扉を叩く音の間に聞こえた。
ゆっくりと扉が動き始めた。
階段に差し掛かった時___
ゴロゴロゴロ…。
.
「赤い人」の笑い声が体育館に響き渡る
ペタペタペタペタペタペタペタペタッ!!
恐ろしく小刻みな足音が聞こえる。
「赤い人」は確実にこちらへ向かってきている。
3人が倉庫へ入ったのを確認し、駆け出したその時___。
ガシッと足首を掴まれて私はその場に倒れた。
不意の出来事に手を付くこともできず、胸を強打してしまったのだ。
その衝撃で呼吸ができない。
苦しくて、辛くて…
その時、あの歌が唄われ始めた。
じんは言っていた。「赤い人に何度もしがみつかれた」と。
と、言うことは引き剥がせるということ。
だったら、引き剥がすしかない!
それも、「赤い人」も見ずに。
考える暇なんてない。
そんなことを言った所で離れてくれるはずがない。
ダメだ、私の握力じゃ滑る腕を掴まえても引き剥がすことはできない。
階段の手すりをつかってなんとか立ち上がろうとするも、血で滑って立てない。
私は順番を間違えた。立ち上がってから腕を引き剥がすべきだったのだ。
次が最後の一小節。もうダメだ。私は殺される…
半ば諦めて目を閉じた時____。