第36話

#29
818
2019/03/25 14:07
あなたside
…ほんとに最悪だ
こういう日に限って、スマホの充電し忘れた。


今、絶賛迷子中


人混みって、苦手なんだよなあ

すぐこうなってしまう。
あなた「私が気を取られなければ…」
ジェットコースターの反対側に、

すごく美味しそうなシェイクが売られてて

それに気を取られてしまいました…
あなた「ベンチに座ってよう」
こういう時、あんまり動かない方が良いって言うよね?!
あなた「…スマホ動け!動けー!」
画面が真っ暗になっているスマホに

そう言っても何もならない。
??「あの〜…」

あなた「…え??」
1人でスマホとにらめっこしていると、

声をかけられた。
??「僕、モバイルバッテリーあります!」

あなた「え、い、いや!大丈夫ですよ!」
なんか、どこかで見たことあるような……

少し見覚えのある顔だった。
海人「あれ!あなたちゃんだ!」

あなた「海人くんだ!!」
じんにはまだ言ってないんだけど

実は私、成績がひどすぎて塾に通い始めてて…

そこで同い年の海人くんに出会って、

話が合って仲良くなったって感じ!←
海人「今1人なの?」

あなた「迷子〜…あはは笑」

海人「やっぱり充電した方がいいよ?」

あなた「うーん…じゃあ少しだけ!」
こんな偶然なかなかないと思う、、

神様に感謝!海人くんにも感謝!
あなた「ほんとにありがとう!」

海人「どういたしまして!」
その後、友達が乗り物に乗っているのを

待ってるという海人くんと、話し込んでいたら

スマホの充電はいつの間にか50%くらいに
あなた「わ!こんなに増えたよ!」

海人「ほんとだ!良かった!」

あなた「友達から連絡来た?」

海人「あ…まだ、来てないよ!」

あなた「そっか!じゃあ私みんなに連絡する!」
何時間ぶりかのスマホ。

みんな怒っちゃってるかなぁ…



勇太side

あなたはいつも、なにか悩んでる時とかには

公園のベンチに座っている。
勇太「ベンチっていっても、量が多い…」
この広い敷地にあるいくつものベンチから

探せ、なんて無理がある。
でも、成瀬は確かチケット売り場の近くって言ってたから
勇太「とりあえずそっち方向行こ」
どこもかしこも、人だらけで

ベンチを見てもあなたらしい人はいない。
プルルルル…プルルルル…
勇太「廉かな?」
廉か成瀬かな、と思いながら

スマホを手にすると、表示にはあなたの名前
勇太「もしもし?あなた?今どこ?」

あなた「じん〜!観覧車の前だよ!」

勇太「そっち向かうから、そこいてね」

あなた「うん!分かった!」
俺はこの時、


あなたからの連絡があったことに安心しきって


スマホの充電がきれていたはずのあなたから


なんで電話が来たのかなんて


考えもしていなかった。

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