ピーンポーン
あなた「…はぁ〜い」
家のチャイムを鳴らすと、奥からあなたの声が聞こえる。
なんだかだるそうに感じた。
ガチャ
あなた「…じん!!」
勇太「体調大丈夫?」
あなた「まぁ…そんなことより!連絡してよ〜」
実は連絡するのをすっかり忘れてて、
そのままあなたの家まで来てしまった。
勇太「ごめん、早く会いたくて」
あなた「…そんなこと言われたら許すしかないじゃん」
少しムスッとした顔で、入っていいよ と
玄関のドアを開くあなた。
勇太「ゼリーとか買ってきたんだ、食べる?」
あなた「ありがとう、でもいいや」
勇太「うん、そっか」
いつもなら食いついてくるけど、今日は違う。
やっぱ体調が悪いんだなあ って思った。
勇太「ごめんね、連絡なしで」
あなた「もう許す!」
そう言ってふにゃあと笑うあなた
なんだか溶けてしまいそうだった。
勇太「あなた?寝てていいよ?」
あなた「んー…」
ベッドに横になっていたあなたは
俺に気をつかっていたのか、眠らずにいた。
あなた「じん来てくれたし…じんのこと見てたくて」
なんて、急に可愛いこと言うから
俺は我慢できなくなる。
勇太「…チュッ」
あなた「…っ、じん、うつっちゃう…」
勇太「うつってもいい…チュッ」
あなた「……だめ、だよ」
そう言って、あなたは俺の体を軽く押した。
勇太「…ごめん、体調悪いのに…」
あなたのこと考えずに、何やってんだ俺…
あなた「…大丈夫だよ、嬉しい」
優しい声でゆっくりと呟いた
勇太「…じゃあ一緒に寝よ」
あなた「それいいかも」
俺があなたに後ろから抱きつく状態になり
布団をかぶった。
あなた「じんあったかい…」
勇太「うん、あったかい」
その後、いつの間にか眠りに落ちていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。