ーーー無名街到着ーーー
顔面蒼白のタケシと今にも泣きそうなピー。
そんな2人に優しく微笑む
早速スモーキーの傷の周りを消毒して針と糸で縫っていく
麻酔をしていないから、すごく痛そう
でも、私も広斗兄が連れてきたお医者さんも麻酔科の資格は持ってないから、麻酔なしでやらなければならない
あ〜、今度資格とろ
広斗兄はお医者さんを指さしてとんでもないことを言った
医者の癖になんでアル中なのよ!
広斗兄が出ていったのを横目で確認して、ラストスパートをかける。
そして数分後、ようやくスモーキーの手術が終了した
広斗兄が連れてきたお医者さんを見送っていたら外からララの悲鳴とキキーッという車が急カーブする時のような音がした。
嫌な予感がして外に出てみると、私の目の前を黒い車が通り過ぎて行った。その車には前にWhiteRascalsの女の子を売り飛ばそうとした人身売買屋(Doubt)のマークだった。
広斗兄が言うにはララと話して帰ろうとララに背中を向けた時に車に連れ込まれたらしい
中に入ると、スモーキーが目を覚ましていた。
スモーキーを起き上がらせて、ベットに背中を預けさせた。
そう言って広斗兄はスマホをスモーキーに見せた。
おそらく尊龍兄の写真を見せたのだろう。
スモーキーの目が微かに見開かれた。
スモーキーはゆっくり広斗兄の目を見た。
話が終わって、広斗兄は椅子から立ち上がった。
広斗兄は私の頭をぽんぽんと叩いて家へ帰ってしまった。
私はピーに案内された部屋に入り、すぐベットに入った。
無名街と達磨一家の地区がこんなにやられているんだから、他の所もきっとやられている。明日連絡を取らなくちゃと考えながら眠りについた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!