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2人は恋人としてではなく、友だちとして付き合うようになりました。
無理に思い出さなくていい、という彼の思いがあずさの気持ちを軽くしていきます。
次第にあずさに笑顔が戻ってきました。
彼女のほうから海斗へ話しかけるようにもなりました。
「ねぇ、海斗くん。昨日の特番見た?」
「見た見たっ、すごい面白かったよな。あずさちゃんは?」
「もちろん見たよ。録画もしたし」
「そっかー」
時々いっしょに学校へ行き、教室で何気ない話をして笑う。
楽しそうにする彼女を見守ることができる。
それでいいと海斗は思いました。
このまま記憶は戻らなくても、2人の関係が変わらなくてもいいと思いました。
彼女が笑っている。
幸せそうにしている。
それだけで、満足だと感じました。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。