第3話

桜の花2
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2018/12/02 10:24

着いて、経緯を説明すると店員さんに
何を変えたくて来たのかと言われた。






あなたは何を変えに来たのか…って言われると何もいえなくなっちゃうんだけど、
私は一回大きな間違いをした。




昔、私には病弱だった元彼がいた。



すぐしんどくなって倒れてしまう彼とはどこにも行けなかった。




会うのは病院で








それでも私は彼を愛していたから。
ずっとそばにいると決めて毎日病院へ通った。

それ以外何もできなかった。



付き合い始めて一年、私は彼から別れを告げられた。

私は泣きながらもただ受け入れていた。
その年彼が死んだのはだいぶ後になってからだった。

彼は私にこれ以上迷惑をかけたくなかったそうだ。
でも、それは私にとっては悲しかった。

1番辛い時に私がそばにいられなかった事を悔やんだ。


京坂菜桜(きょうさか なお)
京坂菜桜(きょうさか なお)
私は…あの日に戻りたい。
そして、今度こそ最後まで隣で…
香織
なるほど分かりました
花屋の店員であり、願いの叶う花を出す役割を担っている香織さんがいった。
香織
申し訳ないのですが何個かルールがあります。
京坂菜桜(きょうさか なお)
京坂菜桜(きょうさか なお)
ルール?
香織
1つ目、花は水に入れてはいけません。
2つ目、枯れる前に花を握ってください。
そうしないと帰れませんから。
3つ目、これが1番重要です。
どんなに頑張っても過去は変えられません。
京坂菜桜(きょうさか なお)
京坂菜桜(きょうさか なお)
水に入れてはいけないなんてすぐ枯れるじゃない!

それに過去を変えられないなんて…
香織
普通の花は水に入れないと一日持つか持たないかですが、
この花は一週間持ちます。

過去は変えられません。
あなたの場合、彼を死から逃させる事は絶対出来ません。
でも、それまでの過程は
京坂菜桜(きょうさか なお)
京坂菜桜(きょうさか なお)
過程は…?
香織
…あなたの気持ち次第です(^_^)



それでもいきますか?
過程…変えられるのなら…
京坂菜桜(きょうさか なお)
京坂菜桜(きょうさか なお)
いきます
香織
分かりました。この桜を差し上げます。


ルールは忘れないでください。

花を持った途端…周りは霧がかかったような見えなくなった

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