第4話

さよならの向こう側 4
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2018/05/14 02:39
うらたside

「しばらく帰らないから。」
そう言い残して坂田が出て行ってから3週間。坂田はまだ帰ってこない。

部屋は散らかり、毎日ソファで涙を流す日々。ご飯もろくに食べていない。
「さいご…いつご飯食べたっけ…」
誰もいないと、返事はないとわかっているが、声に出す。声を出したのも何日ぶりだろう。
坂田との思い出を捨てようとしても捨てられない、中途半端なおもいがぐるぐるして、部屋を荒らすが、虚しさだけが残る。
そんな毎日を過ごしていた。

ピロンッ
携帯の通知音が鳴った。
坂田からだったら、別れようと言われたら、と頭の中でぐるぐる回り、坂田が出ていってから一度も触っていない。チャイムも、電話も、坂田だったらと怖くて出ていない。
帰ってきて欲しいと思っているのに、矛盾していることは分かっている。それでも、怖いんだ。

「ああああああっ!!」 バサバサッ
棚を前後ろに揺すると色んなものがものが落ちる。

カランッ

「…これ。」
手に取ったものは カッター …だった。

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