坂田 side
………..............…。
気が付くと白い部屋に居た。
「ここ、どこ…?」
辺りを見回していると奥から人影が近づいてくるのが見えた。
…….......茶色い綺麗な髪と整った顔。小さな体。
さ「うら…さん?」
う(?)「…。」
さ「うらさん!ごめん!!ほんとは!本当はあんなこと言うつもりじゃ…」
う(?)「お前なんて嫌いだ」
さ「え…、?うら…さん?」
思いもよらない言葉に涙が出る。
う(?)「お前なんて消えればいい」
うらさん……がどんどん黒くなっていく。
う(?)「お前なんてどうでもいい」
さ「やめ…て!やめて!やめて!!」
う(?)「お前なんて…………死ねばいいのに」
うらさんの形をした『モノ』がにたぁっと笑う。
そこで記憶は途切れる。
いつからこれを見続けているんだろう────
うらた side
3週間前。
坂田が出ていった日。
何があったのか今まで知らなかったなんて。
彼女失格、だ。
怖いだなんて、自分の都合ばっかりで。
坂田の気持ちなんて少しも考えていなかった。
「さかた、ごめんな。」
涙が頬を伝って流れた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。