第6話

さよならの向こう側 6
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2018/05/15 08:39
坂田 side

………..............…。


気が付くと白い部屋に居た。

「ここ、どこ…?」

辺りを見回していると奥から人影が近づいてくるのが見えた。
…….......茶色い綺麗な髪と整った顔。小さな体。

さ「うら…さん?」
う(?)「…。」
さ「うらさん!ごめん!!ほんとは!本当はあんなこと言うつもりじゃ…」
う(?)「お前なんて嫌いだ」
さ「え…、?うら…さん?」

思いもよらない言葉に涙が出る。

う(?)「お前なんて消えればいい」

うらさん……がどんどん黒くなっていく。

う(?)「お前なんてどうでもいい」

さ「やめ…て!やめて!やめて!!」

う(?)「お前なんて…………死ねばいいのに」

うらさんの形をした『モノ』がにたぁっと笑う。

そこで記憶は途切れる。



いつからこれを見続けているんだろう────




うらた side

3週間前。
坂田が出ていった日。
何があったのか今まで知らなかったなんて。
彼女失格、だ。
怖いだなんて、自分の都合ばっかりで。
坂田の気持ちなんて少しも考えていなかった。

「さかた、ごめんな。」

涙が頬を伝って流れた。

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