練習生4年目 私は誰よりも焦っていた 。
練習生生活が長い人の中で唯一私だけがデビュー
することが出来ていなかった 。
朝誰よりも早く来て 、夜は練習室が閉まるギリギリまで練習しているっていうのにいつまで経っても呼ばれることのない私の名前 。
悔しかった 。人一倍練習しているのに 、私より練習してないし努力も実力も劣ってる子が先に夢を叶えていくのが 。
こんなこと言ってるからデビュー出来ないのかも
しれない 。表に出てるのかな 。あぁ 、もうやだな 。
そう思いながら毎日練習していた 。
ある日 、皆帰って1人だけで練習をしていた時に
チソンが話しかけてきた 。
自分でも冷たい態度だな 、と感じる 。
でも他人に優しくする余裕がなくてどうしても
こうなってしまう 。
突然前触れもなく大きな声を出した私にチソンアは
目を見開いて驚いた 。
毎日毎日疲れるわ 、本当に 。
でも身体が言うことを聞かなくて休みたくても
休めずにいる 。
もうやだよ 、
チソンアは泣き崩れた私の背中を 、優しくさすってくれた 。
この日から私達は2人で練習するようになった 。
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それから1ヶ月半程後に私とチソンはマクオッパ達と一緒に社長室へ呼ばれた 。
隣にいたチソンと見つめ合う 。
舞い上がり2人ではしゃいでいるところで 、
社長が私に一言 。
社長はずっと私をデビューさせる機会を探してくれていたのだ 。
そんな中現れた機会がNCTDREAMとしてデビューし
ヨジャマンネとして活動することだった 。
そう大きな声で言った後にチソンアは満面の笑みで
こう言った 。
K-POP初のヨジャマンネ 。 すぐに受け入れられる
ものではなくて 、これまでの6年間楽しいことばっかではなかったけどチソンがいたから頑張ってこれた 。
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『 ひとり 』という単語を口にした時 、チソンアは
分かりやすく顔を顰めた 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!