ー ×× 病院 ー
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一般病棟とは離れた場所に案内される 。
看護師さんの顔は暗い 、嫌な予感がしてしょうがない 。
扉を開けると甥のテユンを腕に抱えたお姉ちゃんの
친구が立っていた 。
テユンに駆け寄り 、ソハさんから受け取る 。
私はホッとしてテユンを強く抱き締めた 。
テユンは私の顔を見て不思議そうな顔をした 。
私はテユンの頭を割れ物に触れるかのように撫でるとまた安堵で涙が溢れて泣き出してしまった 。
良かったこの子は生きてる 、でも ......
二人の顔には白い四角い布が被されていて 、亡くなっていると理解せざるを得なかった 。
そうソハさんに頭を深く下げると 、テユンを連れて
お姉ちゃん達の元へ歩み寄った 。
テユンがそうお姉ちゃんに言うけど 、その声がもう
お姉ちゃんに届くことは無くてお姉ちゃんは瞳を閉じたままだ 。
義兄さんも 、もうテユンに反応することは無い 。
私達大人は泣き喚くテユンの姿を見て涙を堪えた 。
でもソハさんは段々耐えられなくなり 、私とテユンに背を向けて泣いていた 。
せめて私は強くあらねば 、そう思って私は泣くことをやめた 。
義兄さんも私達姉妹と同じ孤児だ 。
だからもうテユンを育てられる人は私しかいない 。
仕事どうしよう 、一瞬その考えが過ぎったが何よりもテユンの教育の方が大事だと強く思った 。
子供の将来を決めるのは大人達だ 。
昔そう思ったことがある 、だから私は全力でこの子を育てる 。
そう固く決意した 。
*
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!